Dropped Head
「おはよう……ん?」
ヴォルフは事務室に集まった面々の表情を見るや、眉根を寄せた。面々は自らが見えるなり、自らより早く眉を顰めていたからだ。
「どうしたんだ、皆?俺のことをじっと見たりして」
「いや、ヴォルフよー。何な……何ちゅーか、その……」
「そうですね。ヴォルフさん、今日は何か違うような……」
「本当にヴォルフさんっすか?」
「ヴォルフ、お前の表情はどこ行ったんだ?」
臆面もなく、違和感の核心に触れるヴァーラ。
「は?表情?俺の?」
「おうよ。お前、入ってきたときも今も無表情だぜ?」
「え?」
ヴォルフは困惑を表情に出しているはずだが、ヴァーラたちにはそう見えないようだ。
「それどころか、話してるときの口の動きが不自然なんだよな。滑らかに動いてねえんだよ」
「ヴァーラさんの言う通りっす。おれの黒豹時代みたいっす」
「どういうことだ?」
合点が行かないヴォルフ。
「そえはあがらのセリフや!お前がどういうこっちゃ!?」
いつもの癖で、ツッコミを入れながらヴォルフの頭を叩くガモット。そして、ヴォルフの頭が落ちた。
「え、え、え……何なこえ!?わえは普通にドツいただけやで!?」
「どうなってんだこれは!?」
「いっ、いやあああああ!!!!」
「嘘っしょ、ヴォルフさん!?」
「……………………」
狼の頭が床に転がる。突然のことに、当のヴォルフは言葉が出てこなかった。
「そいで、誰やお前!?」
狼の頭があった場所に、見知らぬ人間の顔があった。




