夏と花火と私のXXX
今回はお祭りにおける原価計算です。
「お祭りの準備で忙しいのはわかるとして、今日も今日とて簿記の勉強です」
「少年、お祭りの出店で思ったことってない?」
「値段が高い。たこ焼き1パック500円ってボッタクリにもほどがある」
「身も蓋もないけど、実際そうなんだよね。と言ってもやっぱりお店における原価計算を知っていると、あまり文句は言えないんだよ」
「原価の三大要素はなんでしたっけ?」
「材料費・人件費・光熱費だっけ」
「それだけわかってればとりあえず大丈夫です」
「それじゃぁ、下記の材料でなんの出店か当ててみてね」
【原材料】
小麦粉10キロ 2,000円(1キロ=200円)
卵10パック 2,000円(1パック=200円)
塩1キロ 150円(1キロ=150円)
紅生姜3キロ 600円(1キロ=200円)
キャベツ10キロ 2,000円(1キロ=200円)
天カス5キロ 500円(1キロ=100円)
青のり500グラム 100円(500グラム=100円)
水10リットル 500円(2リットル=100円)
油2リットル 600円(1リットル=300円)
おたふくソース3リットル 900円(1リットル=300円)
マヨネーズ3リットル 600円(1リットル=200円)
合計 9,950円
「材料の値段はあくまでわかりやすくだからね。実際は一円単位で細かくなってるよ」
「うーん、紅生姜にキャベツ、天カスってことはたこ焼きとかお好み焼きか? でもそれだったらタコとか豚肉がないとおかしいし」
「それじゃぁこの原材料が加わるとどうですか?」
【原材料2】
割り箸500膳(100膳=200円)
プラスチック製容器1000枚(100枚=100円)
輪ゴム二箱(一箱=100円)*一箱につき輪ゴム500本
「割り箸ってことは、もしかして箸巻きか?」
「正解。それじゃぁ、割り箸の数が売上が期待できる予想値だとして、この時点での原価はいくらになるか計算してみて」
「えっと、箸巻きで使う割り箸は一膳だから、500本ってことか」
「そうなりますね。ちなみにプラスチックの容器はあくまで予備としての計算になります。輪ゴムは一回の買い物に一本使ったものとします」
「ということは、容器は人数分ってことか」
「それもありますけど、実際は商品をふたつ一組で包んだりしますからね。今回は一本につきの原価計算とします」
「了解……っと、電卓電卓――どこに行った?」
「普段持ち合わせてないからこうなるんだろうね。油断してる少年も少年だけど」
*箸巻き一本に対する原価。
材料費合計 9,950円
道具費合計 1,000円
包装費 600円
原価元合計 11,550円
一本単位における原価費 23.1円
「こういう計算になったけど、材料費だけ見ると安いな」
「うん、ほとんどの料理関係のお店に対する材料費の原価計算は想像以上に安いんだよ。間違ってもお店での原価計算は材料費だけじゃないからね」
「そこは間違えないって。それじゃぁガス代とか鉄板とかも必要になるんだな」
「そうですね。それじゃぁ下記の計算を加えてみましょうか」
【道具費】(夕方六時から晩十一時までの営業として)
鉄板一式 50,000円
ガスポンべ 20,000円
合計 70,000円
「これにさっきの材料費にプラスするんだな」
「そうだね。そして夜は真っ暗だから必要不可欠なのは?」
「照明かっ!」
「証明は二組の簡易的なものとして、まだもっとありますよ」
「今回は出店だから、テントとか広告費も必要になるんだな」
「正解。さて少年、お店を出すわけだからこれが無いとこれだけ用意しても意味がないものってなんだと思う?」
「うーん、材料と道具も用意した。テントや広告も準備している…………っ、もしかして場所代か?」
「そうですね。小さな区域だとその地域の大人がやっていますし、場所代というのはありませんが、隅田川花火大会や花見客に対する出店に対しては場所代が課せられますね」
【その他の出費】
テント一式 100,000円
証明一式 20,000円
広告費 10,000円
場所代 50,000円
「たけぇ……」
「あ、あくまで目安ですからね。あくまで目安ですからね」
「実際は同じテントを使ったり、プラカードも使い古しがほとんどだから。今回は新しくお店を出すという話で進めていくよ」
「わかった。それじゃぁこれに人件費も含まれるんだな」
「まだありますよ。フライ返しや泡だて器などの道具も必要になります」
【道具費】
泡だて器 ひとつ 100円
その他もろもろ 1,000円
「その他もろもろって」
「そこはツッコまないでください(面倒だからまとめたなんて言えない)」
「わかったわかった。それじゃぁこれに人件費も加えるんだな」
「人件費は……そうだね、800/hにしようか」
「午後六時から午後十一時までだから、五時間……四千円になるんだな」
「それを踏まえて、計算をし直そうか」
「ガスやテントなどの備品については合計の1/8としましょうか。泡だて器などの道具も同様のものとします。なお電気代については照明一式に含むものとします」
【原価計算】
*箸巻き一本に対する原価。
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材料費合計 9,950円
その他合計 1,600円
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鉄板一式 50,000円
ガスポンべ 20,000円
合計 70,000円=1/8=8,750円
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テント一式 100,000円
証明一式 20,000円
広告費 10,000円
合計 130,000円=1/8=16,250円
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泡だて器 ひとつ 100円
その他もろもろ 1,000円
合計 1,100円=1/8=137.5円
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場所代 50,000円
人件費 800円/h=五時間勤務=4,000円
合計 54,000円
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合計 42,087.5円
一本につき、単価 84.175円
「箸巻きひとつにつき200円で販売したとして、売り切れるといくらになります?」
「200*500だから100,000円か。それに合計原価費の値段を引いたのが売上総利益になるわけだから57,912.5円。一本単位115.825円……あれ? なんかもうけてるんだけどこれって売り切れを前提とした話だから、半分も行かなかったら赤字だよな?」
「まぁそうだね。正直言うと、もうすこし色を付けたいのが心情かなぁ」
「これはあくまで計算しやすくでやりましたからね。そもそも200円で売る出店はないと思いますよ」
「キャベツとか野菜は、前にも話したけど環境や出荷状況によって値段が変化するから一概に説明できないんだよ。今回はお祭りにおける商品の原価計算の説明だから」
「もしかして、クレープが500円もしたりするのってこういうのが原因?」
「こだわるお店は本当にこだわってるけど、周りの平均値段で出しているお店もありますからね」
「実際は赤字覚悟という場合もあるわけか」
「そうだね。って今思ったんだけど、お姉ちゃんプラスチック容器と輪ゴムの道具費そのままになってない」
「あっ……(計算し直す)。だ、大丈夫。ちゃんと容器と輪ゴムの値段はそれぞれ500枚と一箱だから。値段は600円になってる」
「といったように、多めに見積もった原価材料費と実際に使用した原価材料費が異なる場合もあるから気をつけてね」
「使わない分は原価費に含まないだったな。あれ? それだと小麦粉とかもそうなるんじゃ?」
「うん、でも今回はほんとうにあくまで目安としての計算だから」




