大体デメリットのほうが多い
「それじゃぁ前回の続きで、簡易課税方式の一番のメリットは計算しやすいってところだね。前回出ていた消費税の取引で、課税売上高が50,000円だと、第一種なら一割(0.1)だから5000円になるでしょ? それから消費税が加えられるから5,400円になる」
「他の区分も結局は一割ずつ減ったと考えればいいですから」
「だいたい課税仕入高が400円ずつ増えていくってことか」
「ところで少年、さっきから納得いかない表情だけど」
「いやな売上は仕入に対して引いた収益だろ? それは今まで勉強しているからわかるんだよ。だけど課税売上ってなにを計算したらいいのかなって」
「そう云うだろうと思って、次の表を見てね」
「【非課税取引】というのは、本来は消費税の対象になるんだけど、政策上の都合から非課税になっているものだね」
「政策上?」
「政策というのは政治上の方針という意味で、これには税金をかけないという理由から非課税になっているものですね」
「よく見ると学校や病院に関係してるな」
「利子自体、借入金(貸付金)に対しての消費税みたいなものだし、保険料や切手に消費税なんて聞かないでしょ?」
「あぁ確かに……」
「それともうひとつ、『不課税取引』というのがあって、以下の項目がそれに当たります」
「右記の『不課税取引』は『課税資産の譲渡』に当てはまらないものです」
「あぁ、税金に税金を加えるって聞いたことないわ。でも原則より簡易の方が得なんじゃ?」
「計算する上ではね。でも原則にもちゃんとメリットはあるんだよ」
「原則のメリットとしては、実際の仕入率が『みなし仕入高』よりパーセンテージが高いと納税額が少なくなる場合があるんだよ」
「……っ?」
「えっとね、課税売上高が1,000円とした小売業だった場合、課税仕入高が900円(90%)を超えない限り、『みなし仕入高』は変わらないんだけど……」
課税売上高1,000円に、課税仕入高が950円となった場合。
(消費税8%)
(原則課税方式)
(1,000×消費税)-(950円×消費税)=
1,080-1,026=54円
課税売上高1,000円の簡易課税方式で、90%を超えない場合
(簡易課税方式)
1,000×(1-90%)×消費税=
1,000×(0.1)×消費税=
100×消費税=108円
「さて問題、この計算でおかしなところは?」
「原則は課税売上高から課税仕入高を引くけど、簡易はそれが引かれないってところか」
「そうですね。原則による計算では54円が消費税になっていますけど、簡易ではみなし仕入金から計算してますからね」
「ということは、1,000-108だから892円になる……これって原則のほうが得じゃないか?」
「その差半分。しかもこれって90%を超えない限り、たとえ1%でもみなし仕入高は変わらないんだよ」
「大規模な設備投資(建築、機械を購入する)にはその分かかる消費税(課税仕入高)も桁が違いますから、消費税が還付される場合もあるんですよ」
「決算書や企業の動向を見ながら、どちらにした方がいいか決めたほうがいいんだな」
「さてと、今まで話してきたけど、そもそも課税売上高と課税仕入高ってなんぞって質問はある?」
「売上や仕入にかかった消費税ってことだろ?」
「…………(´・ω・`)」
「あれ? オレなんか悪いこと言ったか?」
「いや、正解なんですけどね。私もさすがにこれでがっくりされるとは思いませんでしたけど」
「い、いや、少年だったら聞いてくるかなって思ったから」
「オレ、そこまでバカにされてたのか?」




