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数字が苦手な少年に、お金の神様が『簿記』を教えるそうです。  作者: 乙丑
もう少しだけお付き合いください
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会社が払う税金の話

「前回の続き。正直言うと税金の話は税理士の話だし、今回話すのは例だから注意してね。ちなみに和美さんはあの後本社に用事があるとかって帰っていったよ」

「うん、誰に話しているのかは別にして。今回は会社が納める法人税について説明しますね。会社が納める税金は主に『法人税』・『法人住民税』・『法人事業税』・『消費税』の四つです」

「よく財団法人とか社団法人っていうけど、そもそもどんな意味なんだ?」

「人間以外で権利・義務の主体となるものですね。具体的には国語辞典に載ってますので、そちらを参考にしてください」

「丸投げしたっ?」

「と、とりあえず法人税は会社が持っている所得している資本金(純資産)に対して課せられている国税だと思えばいいです」

「は、話が進みそうにないから、とりあえず取引の例題を出してくれ」

「いや、取引の計算って法人の区分が普通だと資本金に対する税率が変わるんだよ」

「普通法人の場合、一億円以上だと所得額が関係なしに税率が23.9%。一億円以下の場合、年800万を超える場合は23.9%。下回る場合は15%になります」

「ってことは1億1千万円の23.9%なら『2,629,000』円になるんだな」

「799万は800万未満だから税率は15%で『1,198,500』円。800万なら23.9%ですから『1,912,000』円になりますね」

「……もしかして、会計で税金の額を減らすためってのは、たった一万の違いで支払う税率が違うからってことなのか?」

「も、もちろんそれもありますけど、ちゃんと会計金額は法律にそって提出していますからね?」

「でもバレなきゃ犯罪じゃないんだよね」

「黒闇天はちょっと黙っててっ! 仮払金を偽って費用にしたり、有りもしない収益を偽ったりとか、そんなことしたら横領罪で捕まるからぁっ!」

「まぁ生真面目なおねえちゃんを虐めるのはここまでにして、決算日翌日から二ヶ月以内に申請しないと訴えられるのは本当だね」

「平成二六年十月一日から開始されている『地方法人税』もありますが、今回は割愛させていただきます」

「損益計算書で算出された当期純利益に税金を加算・減算したものが所得金額になりますね」

「足して、引くのか?」

「悩んでるところ悪いんだけど、正直いって、消費税以外の税率ってあまり注目されないから変わりやすいんだよね。だから税金の話は基本的に税理士に委任したほうがいいんだよ」

「つ、つまり今話したことも、将来的には通用しないってことか?」

「そういうことになりますね」


「ってことで、次は身近な税金『消費税』について説明するね」

「っ? 説明たって、モノ×消費税じゃないのか?」

「うーん、筆者も最初はそう思ったみたいんなんだけど、どうも参考にしている本によると、まだあるみたいなんだよね」

「どういうこと?」

「会社に対する消費税には『原則課税方式』と『簡易課税方式』の二種類があるんです」

「……っ?」

「まず会社にとっての消費税は、国内の事業の取引と国外からの輸入取引に課せられた税金なんだよ」

「いやいや、ものを買ったら消費税があるのは至極当然の話だと思うんだけど」

「でもいちいち商品のひとつずつに消費税を計算しないといけないというのは面倒ですよね?」

「まぁ、たしかになぁ」

「実は会社にとっての消費税っていうのは毎日の仕訳ではなく年間(当期)の会計に関係するものなんです。つまり消費税も法人税と同じ扱いなんですよ」

「……っ、えっ……と…………」▼

「なんかノベルゲームみたいなカーソルが出てきてるけど、ようするに損益に対して最終的に算出される消費税の計算が違うんだよ」

「ど、どういうことだ?」

「まず課税売上高を決算時に算出するんですけど、これって企業をはじめた会社は二年間の納税を免除されるんです」

「それまで税金払わなくていいってことか?」

「資本金が1,000万未満の会社に限るけどね。つまり二年間は原則として課税額が一億あっても支払いは免れるんだよ」

「ただ課税売上高が1,000万を超えると、たとえ10万でも納税が発するんですよ」


 (一年目)企業開始(資本金1,000万未満)

 →(三年目)納税の発生。

 この間、一億以上の課税売上高があっても、原則支払の義務はない。

 (二年目)課税売上高1億円超。

 →(四年目)納税が発生。

 課税売上高が1,000万を超えると、当期の課税売上高が10万でも納税が発生する。


「この通り、企業開始から二年間は免税されてるけど、次の決算の時には納税をしないといけなくなるんだよ」

「企業をはじめた時は0年目じゃなくて1年目だから、そこは注意しないとね」

「創立十周年とかいうけど、実際は十一年目ってことか」

「それじゃぁ、『原則課税方式』と『簡易課税方式』について説明しますね」

「『原則課税方式』の計算式は『課税売上高×消費税-課税仕入高×消費税』だね」


 取引 課税売上高5,000円。課税仕入高2,000円とした場合、消費税を『原則課税方式』で計算。消費税は8%。


「この場合、課税売上高は400円。課税仕入高は160円になりますね」

「あれ? 結局、売上高から仕入高を引いた金額に消費税を加えるだけだから、結構わかりやすいんじゃ?(3,000×1.08=3,240≒400-160=240)」

「といっても、実際は一円単位になる場合がほとんどだから、こんなわかりやすい計算じゃないんだけどね」

「『簡易課税方式』の計算式は『課税売上高×(1-『みなし仕入高』)×消費税』になります」

「『みなし仕入高』?」

「業種内容に対してどれくらいの仕入があったかというものですね。以下がその振り分けです」


挿絵(By みてみん)


「業種によって違うんだな」

「取り扱っている商品の仕入値が違うってことでもあるからね。たとえば次の計算で一番『みなし仕入高』の%が高い卸売業と、一番低い不動産業で見比べてみようか。消費税はさっきと同様8%だよ」


 課税売上高が50,000円とした場合。

 第一種事業=5,400(50,000×(1-90%)×消費税*1)

 第六種事業=32,400(50,000×(1-40%)×消費税*2)

 *1『50,000×(1-0.9)→50,000×0.1→5,000×1.08=5,400』

 4,000(課税売上高)-400(課税仕入高)=3,600

 *2『50,000×(1-0.4)→50,000×0.6→30,000×1.08=32,400』

 4,000(課税売上高)-2,400=1,600


「第一種事業の納税は3,600円。第六種は1,600円か」

「ただ『簡易課税方式』には条件があって、『基準期間の課税売上が5,000万以下で『簡易課税方式』を選択しようとする事業年度が始まる前までに『消費税簡易課税制度選択届』を税務署に提出』しないといけないんだよ」

「便利な半面面倒なのな。まぁ税金に関係あるからしかたがないけど」

「それからこの『簡易課税方式』を行っている会社に対して、先ほど言った企業開始から二年間の免税が通用しないんです」

「なるほど、つまり二年間は『原則課税方式』にして、それから『簡易課税方式』にシフトチェンジする会社もあるってことか」


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