私の能力の限界って
「…そもそも私の能力の限界って、どれくらいなのかな」
腕は剣にできる。なら脚は? もしかしたら指だけとかもできるんだろうか。
試してみよう。
お湯から手を出し、腕が硬くなるイメージで能力を発動する。電灯に反射する銀色が眩しい。
一旦腕を元に戻し、今度は指だけを硬くするようにイメージした。
「ふっ。…んんんんん…」
何かこう…できそうなんだ。でもいまいち、上手くいかない。若干銀色は帯びてるし、普通の指より硬いのだけれど、剣にはならない。
次は脚を試してみようと、お湯から片脚を揚げる。力を込めると、こちらはすぐに剣の形になった。
「成る程…指は腕とか脚に比べて細いから難しいのかな?」
でも、できないわけではなさそうだ。
お風呂に入るときはこうに特訓しようと意気込んで、また指に力を込めた。
☆ ★ ☆
「長風呂してしまった…」
「お姉様。十分温まれましたか?」
「うん。十分過ぎるほど…」
何度か試してみたけれど、そう簡単にはいかないようだ。イメージはできてるんだけどな、とコップのお茶を飲み干した。
「千春、先入っていいぞ」
「あら。私も長いですよ?」
「いいから入れよ。出てきたら、包帯巻き直して、やる、から…」
烈の言葉が尻すぼみになる。そこはもっとはっきり言いなよ。
「? お姉様にお願いしようと思っていたのですが…」
「あー私ちょっと忙しいかなー烈にお願いした方がいいかもー」
棒読みの私とぎこちない烈を見て、千春は胡乱げな顔をしたが、渋々頷いて風呂場へ向かった。
「…」
「…」
「烈―、姉貴にありがとうございますはー?」
「…あぁりぃがぁとぉおぉごぉざぁいぃまぁすぅぅぅ…!」
台所の方から聞こえた無気力さんの言葉に、烈は顔を真っ赤にしながら呻くように言った。
「れつ、顔真っ赤」
「うるっせぇ!」
「ひぃ」
「烈、碧流相手に怒鳴らないで」
「…チッ」
「舌打ちもしないで」
「…」
「ごめんなさい」
「…ごぉめぇんなぁさぁいぃぃぃ…!」
「ねぇ烈さっきからその唸り声はなんなの」
台所の方から無気力さんの苦笑交じりの声が聞こえた。
依然、烈は赤い顔のまま。そっぽを向かれてしまった。




