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秘密結社のお姉様!?  作者: 折上莢
さくらふぶき編
37/71

ごめんね

今日の夕飯は、空気が重かった。


無気力さんは話さない。碧流は心配そうにちらちら私と無気力さんを交互に見ていて、烈は何故か無言。千春も、烈と何か話をした後、必要以上に話さなくなった。


いつもの賑やかな食卓が、なくなった。


ご飯が美味しくない。鼻の奥がツンとする。

俯いたまま、もそもそとご飯を食べていると、烈が立ち上がった。


「ごっそさん。碧流、食い終わったら風呂入れよ」

「あっ、うん!」

「千春」


烈は千春の方を見て顎をしゃくった。


「…わかりましたよ」


千春は何を読み取ったのか、嘆息してから丁寧に手を合わせた。


「ご馳走様でした、お姉様。私、烈に包帯変えてきてもらいますね」


そう言って、烈と千春は階段を登って行ってしまった。

今日、皆んな食べるの早くない…?


「ごちそーさま! お風呂はいってくる!」

「あ、うん。行ってらっしゃい…」


そうして、あれよあれよという間に、私と無気力さんの二人ぼっちが完成した。


気まずいなんてもんじゃない。


「…」

「…」


ポタリと、手の甲に水が落ちてきた。


「あねっ…」


驚いたような声を発する無気力さん。

涙は止まらない。

彼が慌てたように椅子を押しやり、私の側でしゃがむ。そして、綺麗なオレンジの瞳を揺らしながら、私の頬に手を伸ばした。


「姉貴、ごめん、泣かないで」


親指で涙を拭いながら「ごめん、ごめん」と繰り返す。


「…今朝、話聞かなくてごめんね」

「えっ?」

「昨日は、何も決断できなかったのにもっといい方法があったって責めて、私、リーダーなのに…みんなの、お姉様なのに」


話を聞かなかったこと。決断してくれたのに、もっといい方法があったなんて言ったこと。


私がリーダーなのに。お姉様なのに。


「…最低だ、私」

「違う、違うよ姉貴。姉貴は間違った事言ってない。…俺、焦ってたんだ。今朝も、碧流に言わせた時も…姉貴が、いなくなるかもしれないって、そう思ったら…」


無気力さんが、私の手を握って、自分と向かい合わせになるように誘導する。


「…謝るのは俺の方だ。ごめんなさい…俺、姉貴とこんな気まずいの嫌だ」

「私、だって嫌だよ。ご飯は美味しくないし、空気だって重くなっちゃうし…」

「じゃあ、これで仲直りしよう」


そう言って、無気力さんは立ち上がり、私を抱き締めた。

ふわふわした髪の毛が耳に触れて擽ったい。高めの体温に包まれて、悲しかった気持ちが徐々に消えていく。

私も、彼の背に手を回した。


「…うん」

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