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地下 地下迷宮での話し合い

昨日に引き続き出来た……!

「まさか本当にマンホールの蓋が地下迷宮の入り口になっているとは誰も想像しないな」

地下迷宮に入った堂島がマンホールが地下迷宮の入り口だと認識するとその一言を出した。ちなみに優は夜になってしまったので帰宅した。

「「お帰りなさいませ主人(マスター)!」」

堂島が驚いている間に突如精霊達が現れ、オルフェウスの帰りを歓迎する。

「おう、帰ったぞ」

オルフェウスがそれに答えると精霊達が堂島の姿に気づく。

「主人。このお方はどちら様ですか?」

「ドウジマサダミツ。地下迷宮に対する地上の外交官だ」

「初めましてお嬢さん方。堂島定光だ。正確には外交官ではなく一地方議員だがそのような認識でお願いしたい」

「初めまして。私は温泉の精霊のノンと申します。以後御見知りおきを。サダミツ様」

「同じく原油の精霊、ユアンと申します。これからもよろしくお願いしますサダミツ様」

「ああ、よろしく。しかし温泉と原油の精霊か……オルフェウス殿、本当にそうなのか?」

「間違いない。温泉や原油を埋めようとしたら物凄く抵抗していたしな」

「いやそれはそうだろう。日本人なら誰でも止める」

「地下迷宮の奥深くで寝ていた俺を起こしに来たんだ。それまでの道を辿るにはかなりの時間と労力を必要とする。少なくとも2、3日単位ではそこに行くのは不可能だ」

「そうなのか?」

「何せ途中に龍族すらも上回るミノタウルスがいるからな。そいつを倒さなければ俺やこの地下迷宮に住む奴らを除いてそれ以上奥には行けないようになっている。ところがこいつらは無傷でやって来た。そんなことが出来るのは地下迷宮に住む魔物、あるいは具現化した精霊しかいない」

「魔物の可能性は?」

「ないな。この二人には精霊独特の魔力を感じるし、魔物にしては少しばかり身体能力が鈍い」

「鈍い?」

「魔物ってのは本来人間の身体能力を凌駕するもんなんだ。ところがこいつらは人間と大して変わらない。そんな状態で俺のところに来られるのは精霊以外にいないんだよ」

「なるほど……これで納得した」

「納得したらこれから地下迷宮に案内する。着いてこい」

オルフェウスがそう言って歩き、堂島がそれに続いた。


「オルフェウス殿、少し良いか?」

スライムやその他多くの魔物を見て興奮した堂島がオルフェウスに声をかける。

「どうした?」

「あの魔物達と戦っても構わないかね?」

「ああ。少しくらいなら構わねえよ」

「しっ!」

拳を握り、堂島が上着を脱ぐとそこには筋肉の鎧が現れ、まさしく筋骨隆々を身体で表していた。

「では少しの間行ってくる」

堂島がそう告げ、スライムの所に向かい、拳を振るうとスライムが一撃で倒された。

「意外と脆いな……だが次は楽しめそうだ」

スライムを倒したことによって堂島は他の魔物に囲まれるが笑みを浮かべる。その笑みはまさしく戦闘狂のそれであり、どこかで楽しげだった。

「かかってこい。魔物共」

ゴブリンが堂島目掛けて自前の棍棒を振るい、撲殺しようとするが堂島はそれを楽々と避け、カウンターを浴びせるとゴブリンがド派手にぶっ飛んだ。

「次だ雑魚」

堂島の挑発が魔物に炸裂し、魔物達が堂島を襲う。しかし、一対多数になっても堂島の前では何の意味をなさず堂島無双が始まった。


「普通ここまで動けるか?」

その一方、オルフェウスは堂島の動きを見て感心していた。堂島の動きは平和ボケした国の政治家とは思えないほどに訓練されていたからだ。普通政治家の身体能力は低く、堂島のようには動けない。だが中には例外がある。スポーツ選手が政治家になるといったケースもある。堂島もその類いの人間で、元々は格闘家だった。その格闘家の経験を生かして堂島は魔物達相手に無双している。

だがオルフェウスはそれ以上に堂島の精神力に驚いていた。平和ボケしている国の住民に限らず人間は子供の頃に魔物を殺すという行動は受け入れられない。しかし堂島はそれを平気でやっている。

「サダミツ、お前はアキヒサ以上に過酷な人生を送ってきたのか?」

オルフェウスのその問いに誰も答える者はいない。


「オルフェウス殿すまない。テンションがハイになってやり過ぎた」

しばらくし、血塗れになった堂島がオルフェウスの場所に駆け寄り謝る。

「ああ、だが大丈夫なのか? ズボンが汚れたみたいだが」

「クリーニングに出せばどうとでもなる」

堂島が上着を着ながらそう告げるとオルフェウスがため息を吐いた。

「サービスだ」

オルフェウスが詠唱を唱え、魔法をズボンに向けて放つ。するとズボンが堂島が魔物を殺す前の状態に戻った。

「おお……? これは魔法と言う奴か?」

「そうだ」

「オルフェウス殿。日本、いやこの世界に魔法というのは存在しないとされていた。だがこうして魔法を目の前で見て魔法があることを証明してくれた。しかし、魔法学校などを作るのであれば協力しよう。建前上はこの地下迷宮は日本国内のものだ。故に経費も落とせるが……どうする?」

「止めておくぜサダミツ。もしお前がいなくなって経費を落とせなくなったらどうしてくれる?」

「余程のことがない限り経費が落とされない等ということはない。それでも不安ならばこの地下迷宮を更に魅力あるものにすればいい。現時点では原油や異世界にしか存在しないものなどの資源がこの地下迷宮の魅力だ。それを拡張していくか、あるいは魔法学校などの建設しそこで教鞭を振るうことで冒険者の数を増やしていくか。どちらにせよ、私達は冒険者や魔法使いに関する法律を作らなければならない。今頃総理が準備しているはずだ」

「アキヒサの奴め……」

「話を戻そう。もし気が変わって魔法学校を建設しようとする時は申請して欲しい。でなければ出せないからな」

「わかった」


「さて私がすべきことは地下迷宮の運営するに当たっての注意事項などを作成だ。オルフェウス殿はそれを見て確認して貰いたい」

「また書類仕事か……」

オルフェウスは書類仕事と聞いて眉を顰める。

「これも運命だ。諦めてくれ」

「サダミツ。一つ聞いていいか?」

そして重要なことに気づいたオルフェウスは堂島に尋ねた。

「どうかした?」

「後、何日くらいに終わる?」

「どんなに早くて3日だ。最悪一週間でやってみる」

「3日もかかるのか……くそったれめ」

オルフェウスが毒づき、ため息も吐く。オルフェウスとしては明日何としてでも地下迷宮をオープンさせたかったがやむを得なく変更する事態が起きた。しかしその事態さえ乗り切れば明日オープンするよりも更に良い状況が起こる。

「準備期間が伸びたとして捉えるか。焦っても仕方ないしな」

「オルフェウス殿、その期間中に検査をしたらどうかな?」

「そう言えば言われていたな……」

オルフェウスは君島に言われていた検査のことを思い出して、顎に手を添える。

「よし、明日行ってみるか」

オルフェウスがそう決心すると堂島はマンホールの蓋を開け、帰った。

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