初恋
先日は、BLについて少しばかり所感を述べました。気になるのでBLの世界を感じようと思いアニメ映画を鑑賞しました。中村明日美子原作の「同級生」になります。BL世界に詳しい方なら、「分かる~」と膝を叩かれたのではないでしょうか。初恋を描いた王道BL作品になります。鑑賞後の感想なのですが、村下孝蔵の「初恋」といった感じでした。若い方は、きっと知らないでしょう――す・き・だ・よ・と・言えずに、は~つ~こいは~。と言った感じの歌になります。
美しい物語でした。表現の仕方、物語の構成、物語の余韻、どれもが高い水準で完成しています。一時間という短い映画でしたが、コンパクトにまとまっていて良かった。ただ、BLという要素を抜いて、ボーイミーツガールであってもこれは成立はしています。BLだからというよりも、10代の甘い「初恋」がテーマの物語でした。中村明日美子という漫画家を僕は知らなかったので、ヤフオクを開いてマンガ「同級生」と「ダブルミンツ」をクリックしました。週末には届くでしょう。
ところで、BL作品に対する僕の感想は、物語における「恋心」の需要の高さに感心したことでした。BL作品の人気を支えているのは女性の購読者になります。この一作で断定することは出来ませんが、読者が欲しているのは、その初々しいじれったい恋心なのではないでしょうか。BL作品には、そこに男とか女といった性別を越えた純粋さがあります。「好き」という心の変化に、理由は要らない……みたいな。
「同級生」は、風景画のような作品で結末までは描かれていません。その先を知りたければ、「卒業生」や「OB」といった続編があるようです。今のところ読むつもりはありませんが、「恋心」はとても儚い。特に10代の初恋は、成就しないところに美しさがあります。そんなことを考えていると、僕の初恋を思い出しました。
僕の初恋は、小学校5年生6年生の時に担任だった女の先生でした。僕が11歳くらい。先生は、まだ若くて24歳くらいだったと思います。長い黒髪の先生でした。正義感が強く、何よりも美しい。イメージは銀河鉄道999のメーテルのような先生です。
ところが、多分、結婚されなかったと思います。実は、大学を卒業してからも毎年、先生に年賀状を書いていました。年賀状だけではありません。長文の手紙も書いた覚えがあります。内容は憶えていないのですが、きっと顔が真っ赤になるような内容だったのではないでしょうか。それでも、先生は返信をくれました。ずっと本名で、住所は実家のままでした。ある時、体調を悪くされたという一文がありました。苦労されているのかな?――と、心配になりました。
20代後半になって、不精から年賀状を出さなくなりました。それっきり、先生との手紙のやり取りが終わりました。卒業してから先生には一度もあっていません。久しぶりに、この「初恋」の気持ちを思い出しました。切ないな~。
第2部でBLを表現すると、僕は言いました。これは僕のオリジナルではありません。山岸凉子著作「日出処の天子」で既に使われたアイデアになります。あの作品では、厩戸皇子が毛人を愛しました。僕の作品では、毛人が厩戸皇子を愛します。立場が逆になります。この関係性を更に複雑にするのが、婚姻問題でした。当時の世界観では、次世代の子供を残すのは、生きる目的でもあります。
厩戸皇子は、毛人の妹である刀自古郎女と結婚して、山背皇子を誕生させます。彼は次の大王として即位する可能性のあった人物になります。彼は皆からも慕われたようです。僕の作品では描きませんが、山背皇子は毛人の息子の蘇我入鹿によって殺されます。その因果を、第2部で仕込むつもりです。BLと婚姻問題。重層的に因果の螺旋を描けたら面白いなと構想を練っています。




