↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
24/35

進化とは

 「進化と人間行動」を読んでいます。面白い。現在は生物学的な話が終わり、霊長類の話に移りました。現代では、チンパンジーと人間は近縁で600~700万年前に分岐したという話を聞いても、多くの人は信じるでしょう。でも、ダーウィンが進化論を発表した時は違いました。人間は、神がデザインして生み出したものだと考えられていたからです。ダーウィンは、自身の発見が神学を真っ向から反対することに悩んだそうです。


 ところで、進化といえば、何か優れたものに変わっていくようなイメージがあります。例えば、劣った猿が進化して、頭の良い人間になる――みたいな感じです。でも、このイメージは違います。進化という意味を、ここで確認します。


 進化:生物が長い時間をかけて代を重ねる中で、環境に適した姿や形、遺伝子へと変化していく現象のこと。


 進化の意味に、良い悪いという価値基準はありません。あるのは環境に適応出来たかどうかという関係性だけです。例えば、氷河期になったことで、恐竜は滅びて、小型で毛皮のある哺乳類は生き残りました。この事例に対して、恐竜が劣っていて、哺乳類が優れているとは言いません。書籍では、この「進化」という言葉に対する誤解について丁寧な説明がなされていました。なぜなら、ダーウィンの進化論は、この誤解の歴史でもあったからです。


 大航海以降、列強と呼ばれる国々は植民地政策に乗り出しました。アフリカやアジア、それにアメリカ大陸を自国の領土として植民地にしていきます。経済的な利益拡大が主たる目的ですが、それだけではありません。科学や哲学といった学問の発展による啓蒙思想が大きく影響したのです。


 啓蒙思想:暗闇(無知や偏見)を理性の「光」で照らし出し、人々を解放すること。


 啓蒙思想は、後のフランス革命やアメリカの独立革命の原動力になりました。しかし、植民地政策においては、劣った辺境国を、優れた列強国が植民地にするという大義名分にもなったのです。この優劣の意識は、ヒットラーのユダヤ人の大虐殺へと発展していきました。その根底には、「アーリア人は、最も優秀な遺伝子を持つ支配民族」という優生学があったのです。


 ダーウィンが提唱した進化には、三つの条件があります。「変異」「淘汰」「遺伝」です。種は交配によって小さな変異が次々と誕生します。多くの変異は淘汰されていくのですが、稀に環境と適応して生き残る変異がいます。その変異の形質が次世代に遺伝するとき、これを進化と呼ぶのです。進化の対義語として「退化」がありますが、生物学においては誤りです。進化の結果としてある種の器官や機能が衰えることを退化といい、これは進化の一形態になります。この「進化」を考える時、僕はふと思いました。

 ――男と女の交配の話だ。

 進化の話は、マクロな学問です。交配によって、種が生き残ったのか淘汰されたのかを分析し、そこから知見を得る学問です。その交配とは、つまりはセックスになります。


 僕は古代史を勉強してきましたが、その世界観では「血脈」が大きなテーマでした。縄文時代は女性が妊娠する姿を土偶として残しています。神話のイザナギ・イザナミは国を生みました。ご先祖様を神と崇める豪族の宗教観は、血の連続性を大事にしています。天皇の男子継承にこだわる問題も、言ってみればセックスの延長線上の話になります。男と女が結ばれ、子を残すことに執着してきました。ところが現代は、そのセックスの価値観が揺らいでいます。本を読み進めれば、そうした人間行動の不思議についても、書かれているかもしれません。楽しみです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。