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異世界で気ままな研究生活を夢見れるか?  作者: tinalight


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2-27.人員増強(5)

レイのやりたいことを実現しよう。

そうしよう。

足りないものはなんですかねぇ・・・。

「5人で買い物に行こう」

「どちらへ?」

「砂糖!」

「打ち合わせはよろしいのかしら」

「娼館の準備の話はしないのでしょうか?」


「ごめん。説明する。場所はメルマね。

1.昔の魔石を売って、金貨にする

2.魔術師の奴隷か、魔術師を雇えないか探す

3.レイが欲しい内装、調度品を下見する

4.馬車を買って、食料を積んで帰ってくる

以上。何か質問ある?」

「「「ありません」」」


「砂糖は?」

「砂糖はまだ残ってるよね。小麦粉を買ってこないと、もうクッキー作る材料が足りないよ。」


「わかった。馬車買おうね。」

「そうだね。馬が必要かわからないけど。」

「「ヒカリさん!」」


「あ、馬も買おうね・・・。」

「「はい」」


ーーーー


メルマの街ってみんなの報告では聞いているんだけど、

私は初めて訪問するんだよね。

そもそも関所を通過すること自体が初めてなんだけどさ。

領主、領主の家族、執事長、奴隷2人。これで銀貨3枚。

ステラやレイの身分が奴隷なのはなんとかならないのか・・・。

ひょっとして、ニーニャとかも全員奴隷扱いなのかな?

夜にでも皆と相談だ。


関所からメルマの街まで10kmぐらいしか離れていない。

どちらかというと、港町として栄えて、男爵領から勝手に独立しちゃったって感じなんだろうね。慌てて関所立てて税金とるようにしたとかね。

街の大きさは広いね。港があるから各種市場、各種商店、いろいろな組合事務所、宿屋も飲食店もたくさんある。城下町より全然大きい、けど、なんだか雑然としてる部分もあって、治安が悪そうな部分もあるね。まぁ、光も影もあるのが普通さぁ。

面白いのが平屋じゃなくて、2階建てとか3階建てのお店があって、店舗兼住居みたいなのが多い。土地があれば平屋のが安いんだろうけど、市場や港に近い便利なところに密集すると、どうしてもこうなるんだろうね。


で、早速魔石を換金するんだけど・・・。


「モリス、魔石を換金したいんだけど。どこがいいとか分かる?」

「基本的に、その月の相場は一回決まると変わりません。どの店で売買しても同じです。特別な事情の特急募集があったり、オークションでも開催されれば、それに出品して高値で競り落としてもらうことも可能です。」


「ふーん。冒険者登録証って、この街でも有効?」

「有効です。お持ちだったんですか?」


「うん。あそこで、そういう募集が無いか聞いてみようか。」

「それは面白い考えですね。だれも言いませんでした。」


「あれ?ユッカちゃんも持ってるよね?」

「誰も聞かなかったし、冒険者登録証は引っ越しのときにお姉ちゃんが鞄にしまった。」


「そっか、ごめん!今出すね。はい、ユッカちゃんの分。自分でしまって。」

「うん。」


「じゃぁ、5人は冒険者一行ってことで。ついでに他の3人も冒険者登録証を作っておく?」

「面倒な手続きとか、入会費が必要そうですよね・・・。」


「なんか、役に立つ特技があれば大丈夫だったよ。」

「それであれば、登録しておいてもいいですね」

「じゃ、行ってみよう。」


ーーーー


5人で扉を開けて中に入る。

なんか、おばさんがいる。

なんでおばさんなんだろうね。

人材の目利きとか嘘を見抜ける力があるのかな。


「すみません。冒険者登録証を作りたいのですけど」

「5人全員かい?」

「こちらの3人です」


「そこの男性は、ジャガ男爵の所の執事長だろ?登録証は要らないんじゃないのかい?」

「執事長をクビになりまして、今は無職の身です。」


「なんだかねぇ?世知辛い世の中になったもんだねぇ。優秀だって噂だったのに。分ったよ。特技は<執事>で登録する。名前をここに書いておくれ。執事の募集があったら応募してくれればいいよ。」

「では、これでお願いします。」


「そちらのお二人さんは?」

「エルフ族ですが、奴隷をしています。」

「人族で奴隷をしています。」


「奴隷はダメなんだよ。所有者から文句いわれちまう。逃げ出したとしても所有権が残っていてね。奴隷が働いた給金は所有者に返さないといけないんだよ。だから、冒険者登録所では奴隷に登録証を発行する訳にはいかないんだ。」

「「そうですか・・・。」」


なんか、奴隷って本当に権利が無いね。早くなんとかしないと。

かといって、私がでしゃばると、ここでは揉め事しか起きないね。


「分りました。登録証は1名で結構です。それと、今日は応募があるかを伺いたくて来ました。」

「おまえさんの特技はなんだい?」

「私の特技は足が速いことなのですが、今日は魔石の取引で大口なものや、急な応募が無いかを調べていただけますか?」


「魔石かい。魔石なら普通に換金できるだろう。たくさん売りたいのかい?」

「はい。ちょっと人から頼まれまして、量が多いのと、貴重な大きさがあるとのことで、冒険者登録所ならそういった案件があるかと思い立ち寄ってみました。」


「うむ・・・。

中型テニスボールサイズ10個きっちりそろえてくれれば、手間賃載せて金貨250枚>ってのがあるね。今月の相場どおりだと、金貨200枚前後だろうから、これならお得かもしれないね。

あるかい?」


「ユッカちゃん、鞄貸して。」

「はい。」


革の小袋を取り出す。さっき作ったのは8個しかないから、2個足りないんだよね。それは、わかってるんだけどさ・・・。


「ユッカちゃん、袋の中に8個しかないや。あと2個ぐらい鞄のなかから出てこないかな?」


と、私が小サイズの魔石を鞄の中で作り出して、鞄の中で見つけた素振りをする。私が作ると3分ぐらいかかっちゃって怪しいからね。


「ちょっと探してみる。」


と、ユッカちゃんは私が何を言っているかすぐに理解した様子。


「1個奥の方にあったよ。もう1個ありそう。」


と、小袋と合わせて10個をおばちゃんに差し出す。


「おや、これは見事だね。確かに中型サイズが10個だ。金貨は冒険者登録所の方で立て替えてあげよう。ちょっとまってておくれ。」


何やら奥の方まで行って、しばらくして戻ってきた。やはり大金となると、そう簡単に目の付くところには保管しないんだろうね。


「はいよ。ちゃんと確認しとくれ。250枚ちゃんとあるね?」

「ありがとうございます。こちら、登録所ではなくて、おばさんへの手数料なのですが、依頼主から<名前や経緯が漏れないように>と、念を押されていまして・・・。」


と、受け取った金貨の中から1枚を差し出す。

おばさんは、ガシッと目にもとまらぬ速さでそれをつかみとると、


「ああ、いいよ。売りに来た冒険者の名前はこちらで見繕って置く。今日だれが来たかも忘れちまったよ。あんたらにいいことがあるといいね。」


と、満面の笑みを返してくれた。

賄賂が効くって、こういうときに便利だね。

いつかはバレるだろうけど、その時期は1日でも遅い方がいいからね。


ーーーー


モリスに案内されて、本命の奴隷市場へ来る。

魔術特性の高いのはエルフ、ダークエルフ、次に人族なんだって。

そういった出物があるかを尋ねていくけど、なかなかヒットしない。

何件目かの店にくると・・・。


「魔術使い?それは難しいな・・・。普通は流れてこないし、流れてきてもすぐに売れちまう。」


どこも似たような回答だ。


「あ、でもお嬢さんたちだったら、あの子と会話ができるんじゃないかな。おまえさん、エルフの族長クラスだろ?見た目でわかるよ。」


「あの子といいますと?」

「なんか、海岸で一人で歩いているのを奴隷商人が拾ったらしいんだ。だけど何にも喋れないんでね。種族すらわからないときたもんだよ。でも、その奴隷商人が言うには、魔術は使えるレアだっていうんでさぁ。こっちも普段の付き合いがあるから値切って引き取ったんだがね・・・。口がきけないんじゃ、使いにくくてしょうがないってもんだ。」


「見せてもらっても、いいかしら?」

「おう。こっちだこっちだ。餌代だって馬鹿にならない。引き取ってくれるなら、安くしとくぞ。」


牢屋のような籠がたくさん並べられている。その中の一つに案内された。そこに近づいたとたん、ステラの雰囲気が変わった。

中は薄暗くて、表情どころか体形すらわからない状態で詰め込まれている。そんな状態なのにステラは何かを感じ取った様子。ここは黙って成り行きを見守ろう。


ステラの口調は至って冷静だ。それどころか、いつも以上に冷淡だった。


「この子かしら?」

「おう、なんか感じるかい?会話とかできねぇかな?」


「何も感じないわ。エルフ族の知るところではないかもね。ただ、若干の魔力はありそうだから、引き取ってもいいかもしれないわ。主人にお茶ぐらいだせるでしょ。」

「おぅ、そうか。お湯をだすぐらいなら、丁度いいかもな。ただ、お湯をだしてくれるかわからないがな!ガハハハッ」


「おいくらかしら?」

「金貨5枚」


「高いわね・・・。こっちだって餌代もばかにならないのよ。」

「わ、わかった。金貨3枚でどうだ。」


「金貨一枚でも怪しいけど、今日は金貨2枚ならいいわ。」

「厳しいねぇ~!エルフのねえちゃん、負けたよ。それでいい。」


「成立ね。今日連れて帰るから、服か布を付けて。金貨1枚をつけるから。」

「いや~エルフのねえちゃん、太っ腹!流石!ちょうどその子が着てた服が残ってるんだ。別に売ろうとしてたんだがボロボロなうえに小さすぎてね。ありがたい!つけるよ。」


どろどろのボロボロの服を着た小さな女の子が連れてこられた。

本当に女の子か外見からは分からないレベル。


「じゃ、服付きの奴隷が金貨3枚だ。」

「いいわ。成立ね。」

「ありがとさんよ!またよろしくな!」


皆でぞろぞろと店を出る。

しばらく歩いて遠ざかるまで誰もが無言だった。


「ステラ、話をしても大丈夫?」

「いいえ。領地に帰るまでは危険です」

「わかった。」


「レイごめん。今日は馬車とか他の物を買って帰ろう。

魔術師の話はまた明日以降に話をしよう」

「構いません。」


「モリス、馬車2台、馬4頭、70人が一か月暮らせる食料を調達して。いつも通りに執事長で通していいから。これ金貨ね。」

「分りました。直ぐに手配します。」


「あと、モリスとレイはこのまま残って、娼館で使えるような内装や調度品を見繕っておいて。今日、食料以外にも余裕があるなら買ってきていいから。馬車の運転は習って二人で運転してきて。」

「「はい」」


と、私から袋ごと金貨を受け取ると、二人は直ぐに行動を開始する。


ステラの様子がおかしいので、4人ですぐに関所のある館まで帰ることにした。

当然、<光学迷彩>と<飛行術>を併用してね。

いつも読んでいただきありがとうございます。

頑張って続けたいとおもいます。

9月末までは日々24時更新です。

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