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異世界で気ままな研究生活を夢見れるか?〜魔法と理系の知識でゼロから生活を立ち上げる〜  作者: tinalight


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3-37.治水計画

地図が手に入ったからね。

いくらでも考えようがあるさ。

兵一万人囲わないでサイナスを守る方法とかもね。

「フウマ、飛竜以外の軍隊が川を越えて攻めてくる場合、高さどれくらいの壁があれば超えられない?」

「超えることが目的なら10mでも超えて来る。それに壁なんかは超えなくても、投石機で破壊したり、内側の軍隊にダメージを与えることができるね。突破口さえできてしまえば、そこからなだれ込むだけだよ。」


「フウマ、今回の様に川を渡る先に壁があってもさ、一ヶ所から雪崩れ込めるのかな?」

「そういうときは、渡河地点に橋をかけるだろうね。船だと渡河している間に相手の魔法や弓、投石で潰されちゃうよ。」


「じゃ、渡河できそうな地点を塞げば敵の足止めはできるね?」

「理屈ではそうだけど、川は上流から下流まで、この地図だと30kmぐらいあるよ。全部を塞ぐのは難しいよ。」


「ランドルさん、サイナスとミラニアの間を流れる川に名前は無いの?」

「ミラニア川と呼ばれています。」


「ランドルさん、ミラニア川のサイナス側の川岸を治水工事をする。あくまで、<川の氾濫の被害を食い止めるため>の名目で工事をするよ。いいかな?」

「まだ、雨季が終わったばかりで、次の雨季は半年後になりますが。」

「丁度いいタイミングだね。今回の雨季でも多少は被害が出たんでしょ?」

「は、はい・・・。多少と言いましても、それなりの面積が水没します。排水が間に合わない低地では一帯が根腐れや病虫害の被害を受けやすくなります。」

「うん。じゃ、ランドルさんが治水工事に資金を投じることは全く問題ないね?」

「はい」


「今回の戦争で治水工事の大切さが身に染みたら、ミラニア側もするから、今回は目を瞑ってね。」

「そ、それは致し方ないことかと。」

「うん。最初に犠牲がでることは承知してもらわないとね。」

「分かりました。いつから始めましょうか。次の雨季が来る半年以内に片付けることは困難で、2-3年はかかると思われます。」


「フウマ、明日から動ける?」

「大丈夫だよ。」

「フウマ、いつも損な役割でごめんね。明日から動いて欲しい。本当はフウマにも飛竜を見せてあげたいんだけど、2-3年は待てない。分かってくれるよね?」

「ああ。姉さん、俺にも一頭連れてきて来てくれればいいよ。」

「分かった。なんとかしてみる。」


「ニーニャ、土木工事が得意なメンバーはいるかな?今回、関所内で水路を作ってくれたでしょ。あれの大掛かりなものの設計・建築が出来る人。それとは別にトンネルを掘れる人も必要なんだよ。」

「トンネルは神器が借りれるなら私と2-3人で大丈夫だぞ。治水工事は・・・。イワノフと数人は必要だが、冷蔵庫の組み立てから戻ってきてないぞ。当然、石も無いぞ」

「うん。

第一優先はここの農業開拓者の施設。住居50個分とそのインフラ。追加の住居50個も必要になるけど優先順位は下げてください。

第二は、川向うに2棟の屋敷を建てること。これは冷蔵庫の設置部隊が戻ってきたり、フウマ達の下見が終わって戻って来るまでの短期対応でお願い。

第三はトンネル工事の道具、資材、メンバーの確保。飛竜の制圧後から始めるから、騒音が出る作業以外の切り出し作業やゴミの投棄は自由にしていいよ。坑道確保の木材が必要なら、トンネルを掘る現場付近の森から調達して。木が腐って朽ちるとしても半年維持できればいい設計思想でお願い。

第四は治水工事の設計と施工だよ。材料と人手の計算は設計が終わってからでいいよ。

この4つの指揮がとれる者を予め分担して、決めておいて欲しいの。

ニーニャ、OK?」


「第一の50世帯の家とインフラ工事は、ほぼ終わってるぞ。移住者のための家具や農機具は準備できてないぞ。100世帯に拡張するためのインフラを同じ場所でいいか、開拓した農地の奥に新しく道を通すして農地までの利便性を優先するべきか、それとも第一期の50軒と隣接させるかで意見が分かれているんだぞ。

第二は殆ど終わってるんだぞ。内装はモリスが手配してくれてるぞ。追加の一件分は明日からだぞ。」


「相変わらず仕事が速いね。そんなに早くできるもんなの?」

「石が軽いからだぞ。皆助かってるぞ。」

「そっか。よかった。次の治水工事も同じ感じで進めるから。」

「それがいいぞ。工期が圧倒的に短縮できるのと、集める人数が少なくて済むんだぞ」


「うん。そのときはよろしくね。

モリス、明日はドワーフの皆にお酒をだしてお祝いしてもらっていいかな。私は帰ってこれないけど。」

「承知しました。」

「あと、ニーニャ、私とかフウマが帰って来るのを待ってる間に余裕があったら、調理器具をゴードンさんと作っておいてくれるかな。高温炉と冷蔵庫と空飛ぶ馬車は考える時間を頂戴。」

「いいぞ。」


「ランドルさん、ということで、雨が降るからミラニア側の農地の食料を早めに買い上げてあげて。あとミラニア側の穀物倉庫も浸水しになりそうな場所にあるものも買い上げてあげて。多少強引にでも構わないから裏から手を回して食料を回収しておいて。資金はフウマが一緒に持っていくからそれを元にして欲しいよ。」


「ヒカリさん、雨が降るのですか?」

「サイナス側の治水工事が終わったら雨を集中的に降らそう。山の方が川に流れ込む量が集中していいね。防音対策にもなるし。」


「気象をコントロールできるのでしょうか?」

「私は出来ないよ。<お願い>ぐらいしかね。」


「いわゆる、日照りのときに行う<雨乞いの儀式>でしょうか?」

「うんうん。万物の神様に<お願い>する感じで。」


「ヒカリ様、宜しいでしょうか?」

「アリアさん、何?」


「全然話についていけないのですが、雨が降る前提で治水工事もするし、食料の買い上げも始めるのでしょうか。」

「そうだよ。」


「その資金を養父が出すのでしょうか?」

「あ、説明が速かったかな。フウマが持っていくよ。」


「金貨1000枚単位のお金が動くと思うのですが。」

「そんなんで足りるのかな?

1日金貨30枚の物資移動があって、90日分だとすれば2700枚とか必要になるよね。

治水工事の人工で、小金貨1枚x1000人x10日で金貨1000枚くらい

ざっくり4000枚とかかな。追加で馬車による運送や材料費が必要になるよね。」


「し、失礼ですが、ヒカリ様がその資金をお出しになることは可能なのでしょうか。領主になられてから日が浅いとも伺いましたし・・・。」

「私は無いよ。フウマが金貨2万枚持ってきた。それを使わせてもらう。」


「フウマさんはどこかの王族でいらっしゃるのでしょうか?」

「フウマ、実はそうなの?」

「いや、祖父の頃から忍びの一族で、隠密行動を生業としているよ。コネはあるけどお金は無いです。」


「フウマ!馬車の荷は私が自由に使っていいって言われてきたよね!」

「はい。返す必要はありません!」

「うん。その人には別の物で返すから勘弁してもらおう。」

「ご本人もそれを望んで託した物です。最大限に有効活用することが恩に報いる結果となるでしょう」


「アリアさん、説明になってる?」

「<雨が降ること>以外は筋が通ってます。問題ないかと思います。」


「ランドルさんも大丈夫ですか?」

「資金につきましては、私も細やかながらご助力できるかと思っておりましたが、圧倒的な財力の差に平伏す次第です。また、工事の人工集めに関しましても、設計と工期が決まり次第、人集めに協力させて頂きます。」


「工事は特殊な工事の仕方になるから、今はまだ大掛かりな人集めはしないで欲しいの。

ただ、『このまま農地の被害が続くのは不味い。治水工事をしないといけない。その事業に私は私財を投じたいと思う』みたいなことを、いろいろな所で言い周って欲しいの。」

「承知しました。」


「あ、大事なことを忘れてたよ。


<メルマの権利書>


これでサイナスからエスティア王国までの流通は支配できるよね。スレイ財務大臣もベニス財務大臣も不在だから、横やりが入ることは無いよ。

念のためだけど、表向きの実行支配はロメリアを装うから、今までどおりにこの関所では賄賂有での通行料とキャッシュバックは行うよ。」


「こ、これは!」

「ベッセルさんに<お願い>しようとしてたんだけどね。ちょっと私の範囲を超える事情があって、ランドルさんにお願いした方がいいってことで。

ベッセルさん、いいよね?」


「はい。私からもランドルにお願いしたく。」

「ヒカリさんの範囲を超える事情ですか・・・?」


「ベッセルさん、説明してあげて」

「はい。本日エスティア王国の王族の方よりご連絡を頂きまして、<財務大臣に任命する>との辞令を頂きました。今はこれから迫る国難に際し、エスティア王国のために尽力させて頂く所存であります。」


「ベッセル!おまえ!それでいいのか?貴族嫌いのお前がそこに入るのか・・・?」

「メルマの商人組合と中立であったからこそ、信用が得られた様です。また、正式な任命は今回のロメリアとの一件が終了してからとのことです。」


「そうか、そうなのか・・・。本当に大きな運命の渦に巻き込まれているんだな・・・。モリスが一番貧乏くじを引いている気がするが、どうなんだ?」

「はっはっはっ・・・。ランドルやベッセルと交流を深める機会をくださった領主と巡り合い、そして家族と一緒に仕事ができる喜び。今が人生の最高地点かもしれませぬな。」


「3人の人生にとって、良いプレッシャーとなっているなら幸いだよ。

さてと・・・。随分遅くまで皆さんを付き合わせちゃったけど、今日の会議はお終いにしよう。

ランドルさんとフウマは明日出発の方向でお願いね。

アルさんとアリアさんは、関所でモリスの指導の元、先ずは見習いとして働いてね。」

「ハイ!(ALL)」


ふぅ・・・。

長い長い一日だったよ・・・。

とっても疲れた。

良く寝て、明日からがんばろう。

いつも読んでいただいている皆様には感謝しています。

今後とも頑張って続けたいとおもいます。


地図が短編ですので、こっちの本体も同日上げました。



<誤字報告を受け付けない>という設定になっていました。

適宜修正する所存でありますので、

お手数でなければ報告頂けますと幸いです。

※対応の仕方が判らず、遅れるかもしれませんがご容赦を。

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