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第10話 習得領域の壁は誰かの壁


カルマのような概念そのものが実際化した存在に人間の肉体などは必要ないはずなんだけど。なにせその体自体が世界に固定され、不死身化された状態なのだ。たとえあの女の子の身体が特別でもカルマには意味のない物のはずだ。


「もしかして誰かの為だったりするのか?」


俺の言葉に少し驚いたような表情を見せるカルマ。なにがそこまで不思議なのか。


「お前は俺が他人の為にあの娘の身体を必要としてると予想するのだな」


「まあ、なんとなく」


「くくっ、最初に思いつく予想がそれか──」


カルマは傍にあった木を二本斬り倒した。そして一つの切り株に腰かけた。


「お前もそこに座れ」


俺は早くここから立ち去りたかったが逃げられなさそうな雰囲気をしていたのでここは大人しく従うことにする。切り株の残り一つに腰を掛け、俺はカルマがなにを求めているのか考えた。


「さっきの稲妻、あれはなんだ?」


どうやら俺が使った魔法に興味があるようだ。


──それから俺とカルマは自身の考えた魔法や術式を互いに開示し合い、互いになるほどと頷き合う。互いに誰にどのようにして教わったか。世界の真理や強くなる方法の確認など。


──数時間過ぎた。


「なるほどな……では俺は去るとしよう、また会うときにまでさらに強くなってな」


「そうか……俺も負けないように頑張るよ」


俺たちは互いの幸先を祈って別れた。話が長引いてしまったが、得られるものは得た。まさか他にも面白い魔法や術式があると知れただけでもかなりの経験値だ。しかしどうしよう。魔法を学ぶため、習得しようにも、習得可能領域がいっぱいなのだ。基本人間には習得する魔法の数と力に限界がある。だから知識としてカルマから教わっても、俺に使えるかどうかはわからない。


「たぶん、一人が力の独占をしないように世界が決めたことなんだろうけど」


一体どんな人間なら、この世界の法則。魔法の習得領域の無限化を達成できるのか。きっとそれは世界にとって必要で世界の王に相応しい人格者なのだろう。


「まあ、この世に王様なんて必要ないけどね」


持論だけどそう思う。王様なんて居ても可哀そうだ。誰かがやらかしてその責任を王がとる。この流れが俺は嫌いだ。確かに責任を取ることは大事だし必要なことなんだろう。しかし、優秀な人材が世界から一人減るというのはどうにも筋が通ってないような気がして仕方がない。この意見を聞いて昔の人はお飾りの王様を用いるようになったようだけど。


「ギルドで換金してもらうか」


魔名をギルドに持って行って換金してもらう。魔名の中に特にテイムしたいと思った魔物はいない。だからすべてお金に変えようと思う。俺はちょっとしたお小遣いができてウハウハだ。

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