第11話 少年は説教を受ける
ギルドの受付のお姉さんに魔名を換金してもらった。
「すごいですね。たった一日にこれだけの魔名を集めたなら次のランクにアップする日も近いですね」
どうやら冒険者人生をスタートして一日目にこの量の魔名を集めることはめったにないそうだ。なんでも皆最初は冒険を初めて魔物にすくんでしまうようなのだ。どれだけ相手が雑魚でもみな魔物に嫌悪感を少し抱いている。俺は魔物に対してそう言った類の感情は抱いていないが。
「では、ギルドに武器を預けてください」
ギルドのお姉さんはそう言って両手を向けてくる。そうだった。これがあったのだ。
「あの、さっきは剣が武器って言いましたけど訂正します。俺は素手で戦います」
「え、素手で魔物と戦うのは危険ですよ?」
何か不穏な空気を感じ取ったのかギルドのお姉さんは暗い顔になる。俺はどうにか誤魔化してこの場を後にした。
そして学校に戻り高木先生に経過報告をしに行く──。
「そうか、それは災難だったな」
カルマと出会ったことに加え無事、ギルドの登録を澄んだことを伝える。
「それで、その時傍にいた女の子はどうしたんだ?」
「あっ」
そう言えばカルマと出会ったとき女の子が居たような……。完全に忘れていた。どうしようあの後完全に存在を忘れていて安全を確認するのを忘れてしまった。
「君、まさか襲われている女の子をそのまま放置したのか?」
高木先生が口を大きく開けて呆れたような目を向けてくる。当然の反応だ。俺はなにも言い返すことができない。それに実際高木先生には知られてないが、カルマにあの女の子を助けたいわけじゃないと言ってしまったから。
「えっと、今からでも確認しに行ったほうがいいですかね……」
「そのカルマと言う男は女の子に興味を無くしたのだろう? なら無事なんじゃないか?」
そうだと良いが。
「まあ、いい。あとでわたしがギルドのほうに確認しておく。その女の子の容姿の特徴は? 服装とかなにかないか」
「あまりはっきりと見たわけじゃないですから。すいません。わかりません」
「君は本気で女の子が見えてなかったんだな。わかった、もうこの件は終わりにしよう。それで、初戦はどんな感じだったんだ。無事、荒稼ぎできたのか?」
荒稼ぎって。まあ、俺の実力を把握して、魔物の強さの具合を理解している先生には俺には序盤は楽勝だと考えたのだろう。その通りだしな。
「結構稼ぎました。学生の小遣いとしては少し多いぐらいには」
先生はニヤァとした顔になる。いやらしい顔だな。
「それは良かったな。あとは君が順調に立派な冒険者になることを祈るよ」
立派な冒険者ってなんだ? 俺にはわからなかった。




