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その番犬、狂暴につきまして。  作者: 朱音小夏


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87/92

episode87

朝となり、身支度を整え朝メシを食べ終えるといざ、幼稚園へと向かうのだった。オレ達は三人で仲良く手を繋ぎながら歩いていると、ママさん達の方から声をかけてきてくれた。


「おはよう。えっと、五十嵐君、で良かったかしら?」

「おはようございます。はい。五十嵐です。」

「おはよーごさいます!」


オレと剛がママさんと挨拶を交わしていると近くで"ゴンッ"と鈍い音が聞こえた。...音の出処は言わずもがな叶弥である。原因はどうせオレが"五十嵐です"と名乗ったからであろう。


「スンマセン。おはよーごさいます。」

「お、おはよう?おでこ大丈夫?」

「大丈夫っス。ご心配ありがとうございます。」


叶弥は額を真っ赤にしながら、今までに見せたことの無いような爽やかな笑顔をママさんに向けた。するとママさんは頬を紅潮させながら、「そ、そう?なら良かったわ」と言うとそそくさと去って行った。...オレはなんだかそれが面白くなく、叶弥の足を思いっ切り踏みつけた。


「痛ってぇ!!何すんだよ京?!」

「別にぃ?外ヅラだけはいいなと思って。」

「?...!なんだァ?ヤキモチか?」

「!」


図星を指されたオレは顔が一気に熱を帯び、それを誤魔化すかのように剛の手を引くと「早く行くぞ」とボソリと行って幼稚園へと入っていった。


「あ!おはようございます京司さん!おはよう剛君!」

「おい、オレは無視か。」

「今日も素敵です。...あれ?顔赤くないですか?もしかして風邪?!」

「い、いえ。大丈夫です。ご心配ありがとうございます。」

「先生!けーじはね、ヤキモチやいてるんだって!」

「ヤキモチ...?」


剛はオレが固まっている間に先程あった出来事を包み隠さず太一先生につげてしまった。


「...京司さん、可愛らしいですね...!!」

「やめてください、恥ずかしい...」

「ちょーいちょいちょい。何二人で良い感じになろうとしてるわけ?太一先生。京はオレのなんですよ?」

「チャンスが無いわけでは無いでしょう?なんてったって結婚している訳では無いんですから。」


太一先生がそう言うと、叶弥はニヤリと笑みを浮かべ、首から下げていた指輪を見せつけた。


「そ、それは...?」

「オレと京のペアリング♡」


叶弥がそう言うと、太一先生は「くそー!勝ち目が無さすぎるー!」と言って引っ込んでしまった。朝から元気な人だなぁとそこにいた全員が思うのであった。

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