episode86
その日の夜、剛の要望により、オレ、叶弥、剛の三人で寝る事にした。流石にベッドに三人は入らないので、オレ、剛はベッド、叶弥は床に敷いた布団で寝る事になった。
「クソ...オレも京の隣で寝てぇよ...」
「お前みたいな図体のデカいヤツが入るわけねぇだろ。」
「いつも抱き合って寝てんじゃねぇか。」
「叶弥!」
「ふふふっ」
「剛?」
オレと叶弥が言い合いをしていると急に剛が笑い出した。何かおかしいところでもあっただろうか?
「だってさ、幼稚園でおばさんが"親子ごっこ"って言ってたからさ!でもオレにとって、けーじもきょーやも"親子"じゃなくてもホントの"家族"だからさ!オレ、二人がだーい好きだ!」
「...剛。ありがとう。オレらも家族だと思ってるよ。」
オレはそう言うと剛をギューっと抱きしめた。すると剛は「キャッキャ」と笑い声を上げた。
「いーなー、そっちは楽しそうで。」
「!きょーやもこっち来いよ!」
「いや剛、流石に三人は...ってうわぁ!」
剛の誘いにのった叶弥が、オレ達のいるベッドへと入ってきた。
「うわぁ!ギューギュー!」
「こうすれば多少はいいぞ?ホラ!」
叶弥はそう言うと、剛を挟むように抱きしめてきた。三人分の鼓動。三人分の体温。全てが伝わってくる。
「...たまにはこういうのも悪くないかもな。」
「そうだろう?狭いには狭いなりに良いところがあるってもんさ。」
「もんさ!」
「明日あのボスママに見せつけてやろうぜ?」
「...見せつけるって何を?」
...嫌な予感がする。するとオレの予感は的中した。
「あのボスママの前で熱烈なキスでもすれば黙るだろう?」
「...バカか?お前はバカなのか?」
「バーカバーカ!」
「いい案だと思ったんだけどなぁ...」
どこが"いい案"なのだろうか。人に見せるものじゃないだろう。「ハァ」とため息をついていると、叶弥は剛の目を手で塞ぎ、オレにキスをしてきた。
「んン!...ハァ...お前なぁ...」
「??なんだ?なんで目ぇ塞ぐんだ?」
「お子様には刺激が強いからなぁ。」
「な!お子様じゃないもん!」
「ハイハイ、お子様はもう寝ようなぁ。」
叶弥はそう言うと、剛をポンポンと叩き寝かせにかかるのであった。




