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その番犬、狂暴につきまして。  作者: 朱音小夏


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84/92

episode84

「叶弥!早く早く!!」

「落ち着けよ京。焦らなくても剛は逃げねぇ。」


オレはこの一日が気が気じゃなかった。剛は無事幼稚園でやれているのか、友達は出来たのだろうか。大変心配であった。幼稚園が近づくにつれてママさんと手を繋ぎながら帰る子供達が見えてくる。


「先生ーさよーならー!」

「はい。さようなら。」


子供と言うのは凄い。一日園で遊んだハズなのに元気いっぱいな挨拶をしているのだから。


「こんにちは。五十嵐です。」


オレがそう言うと、叶弥が横で「京が五十嵐って名乗った...!!もうカンペキ嫁じゃん!」と天を仰いでいた。


「おや、叶弥君、京司君。おかえりなさい。剛君待っていましたよ。」

「あの...剛の園での様子は...」

「それはもう!元気いっぱいでお友達も出来ていましたよ。今呼んで来ますね。」


そう言うと園長先生は剛を呼びに行った。しかし剛を連れてきたのは太一先生だった。


「おかえりなさい、京司さん!剛君、今日一日ですっかり園に馴染みましたよ!」

「けーじ!おかえり!」

「ただいま、剛。幼稚園腹楽しかったか?」

「うん!」

「つよしくん、バイバーイ!」

「こころちゃん!バイバーイ!」


子供達が挨拶をしているのを見ていると、太一先生が「ね?大丈夫でしょう?」と声をかけてきた。


「剛君、他の子供達から大人気で。あ!給食も好き嫌いせずに全部食べてましたよ!」

「ウチでも好き嫌いはさせないようにしているので。」

「京司さんの教育の賜物ですね!...それで、あの...」

「?」

「良かったら連絡先を交換して「ハイ、ストップー」」

「叶弥。」


太一先生が連絡先を聞いてこようとした時、叶弥がストップをかけてくれた。正直助かった。この手のタイプは一度連絡先を手に入れるとしつこく連絡してくるからだ。


「叶弥さん...いらしたんですか?」

「はい。もちろん最初からいましたよ?」


...なんともまぁ、バチバチな二人だ。


「きょーや、先生!仲良くしなくちゃダメなんだぞ!」


剛は痛いところを突き、大人二人を黙らせた。子供に言われてしまえば叶弥も太一先生も言い合いする事が出来ない。


「それじゃあ、オレ達はこれで。」

「先生さよーならー!」

「あぁ、京司さぁん!」

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