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その番犬、狂暴につきまして。  作者: 朱音小夏


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episode68

オレ達は調理を終え、料理を広間に運ぶと、広間には和やかな雰囲気に包まれていた。剛が凛太朗さんの足の間に座ってキャッキャとはしゃいでいたからである。


「おーい。メシ出来たから手の空いてるヤツは手伝ってくれ。」

「お。おはよーさん、京司。」

「おはようございます、凛太朗さん。剛、良かったな。凛太朗さんに構ってもらえて。」

「おう!おじさん優しくて好きだ!あ!でも一番好きなのはけーじだからな!」

「フフッ。ありがとう。ホラ、朝メシ持ってきたからコッチ座ろうな。」

「ハーイ!」


オレがそう言うと剛は凛太朗さんの足から降り、オレが示した席に座った。そして、全員の所にメシが運び終えると一斉に食べ始めるのであった。


「叶弥、京司。急だが剛の幼稚園は来週からになったからな。」

「いつの間に手続きしてたんですか?」

「昨日のうちに前園にやらせておいたんだわ。」


前園とは、組長付きの秘書である。この男はとても仕事が早く、凛太朗さんは勿論、組の連中からの信頼もあつい。オレが湊先輩に攫われた時、尽力してくれたのもこの前園だ。


「まったく。組長も人使いが荒くて困ります。」

「前園、お疲れ様。」

「京司さん。ありがとうございます。私の朝一の楽しみは京司さんの作る朝食ですよ。」


前園はそう言いながらオレに笑みを向けてきた。普段は爽やかで物腰の柔らかい男だが、怒らせるととてつもなく恐ろしい。


「そう言ってもらえると作るかいがあるよ。でも最近、お前みそ汁おかわりしすぎ。塩分の摂りすぎには気をつけろよ?」

「ハハッ。...ついつい。」

「けーじのメシはうまいから仕方ねーよな!」

「そうなんですよ、剛坊ちゃん。分かってくれますか?」

「おう!」


...剛は大分この組に馴染んでいるようだ。安心は安心だが、こんな強面の連中に慣れてしまうのも将来的には不安ではある。


「京。お前も早く食わねぇと遅刻するぞ?」

「あ、ヤベェ...。いただきます。」


そうしてオレも朝メシにありついた。自分で言うのもなんだが、今日のみそ汁の出来はかなり良い。前園がおかわりを繰り返すのも分からなくは無い程自信作だ。


「ん、ごちそーさん。」

「ごちそーさまでした!」

「はい。お粗末さまでした。」


オレ達はメシを食い終えると、キッチンへと食器を片付け行く。洗い物は若衆の連中がすると言うとで、後を任せ、学校へ行く仕度をする。


「けーじ、今日何時に帰ってくる?」

「んー、夕方になるかなぁ。良い子にして待ってられるか?」

「ん!ガンバる!」

「偉いな。皆の言うこときちんと聞くんだぞ?」

「ハーイ!」


「行ってきます。」と叶弥と共に屋敷を出ると、「いってらっしゃーい!」と言う元気な声が見送ってくれた。

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