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その番犬、狂暴につきまして。  作者: 朱音小夏


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67/92

episode67

「んー、けーじ...」

「オラ、寝坊助。起きろ。朝だぞ。早く起きねぇとメシ抜きにされちまうぞ?」

「んー...ん?!きょーや?!なんで?!」

「京は朝メシと弁当作らなきゃいけねぇんだよ。だからオレが代わりにお前の面倒見に来てやったの。」

「あ、ありがとう、きょーや。おはよう。」

「おう。おはようさん。」


叶弥はそう言うと剛の頭に手をやった。そして剛を着替えさせると、一緒に広間へと向かったのであった。


「京司さん、剛坊ちゃん大丈夫っスか?」

「あぁ。昨日少し泣いたけど、今は叶弥がついてるし大丈夫だろう。」

「え、若がっスか?」

「な。意外だよな。今日朝来て、オレが見てるから朝メシと弁当の支度してこいよーって言ってな。」

「...意外ッスわ...。あんだけ剛坊ちゃんと張り合ってたのに...。」


若衆達からも意外と言われる叶弥って...とオレは思ってしまった。まぁ、元々子供っぽい性格をしていたから若衆達が言いたい事も分からなくは無い。精神年齢は剛とどっこいどっこいなんじゃないか?と思ってしまう。それを言うと若衆達も「あはは」と笑っていた。そうして話しをしながら調理をしていると、剛と手を繋いだ叶弥が広間へ向かう前にキッチンへと入ってきた。


「はよーッス。」

「はよッス!」

「若、剛坊ちゃん!おはようございます!」

「今日も良い匂いだな。腹減ったァ。」

「はらへった!」


気が付いたが、剛が叶弥の言葉を真似しているのである。それに指摘したかったが、指摘をしてしまうと、せっかく仲良くなったのに水をさしてしまうと思ったので、あえて触れないでいた。...のだが、気楽な若衆がつい言葉を発してしまった。


「剛坊ちゃん、若と仲良くなったんスね!」

「あ、バカ!」

「!ち、ちげぇし!オレは大人だからきょーやの面倒をみてやってるだけ!」

「あ?んだとガキ...。コッチはお前が"けーじがいなくてさみしー"って態度とってるから付き添ってやってるって言うのに...」

「あー!ハイハイ。ケンカしないの!」

「「ケンカじゃない!」」

「...仲が良いんだか、悪いんだか...」


似た者同士だな、とオレは感心してしまった。オレは「叶弥、剛」と二人の名を呼ぶと、昨日同様二人の口に玉子焼きを放り込んだ。


「ん。いつも通り美味いな。」

「うまーい!」

「フフッ。ありがとう。ほら、もうじき朝メシ出来上がるから先に二人で広間行ってな。」

「分かった。」

「ハーイ!」


そうして二人の後ろ姿を見送る。なんだかんだで二人共、繋いだ手を離さずにいたのにオレ達はほっこりとしていたのであった。

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