episode61
朝メシの後、叶弥は凛太朗さんについて組の仕事を手伝う事になっていたので、オレは自室で勉強をして過ごしていた。すると、部屋のドアをドンドン!っと乱暴に叩く音がした。オレはなんとなく想像がついたので、椅子から立ち上がると、ドアを開けた。すると剛がガシッと抱きついてきたのだった。
「けーじ!遊ぼうぜ!」
「剛。わかったから少し力を緩めてくれ...」
「ハーイ!」
剛は素直にオレの言うことを聞いたので、頭を撫でた。すると剛は嬉しそうにグフグフと変わった笑い声を上げた。
「あのな!あのな!...今日、オレ、けーじと一緒に風呂入りたい!」
「風呂?別に良いけど...。なんでだ?」
「一緒にいたヤツがな、"シンボク"を深めるには"ハダカのつきあい"が1番だって!」
「なる程なぁ...。よし!今日は一緒にはいるか。」
「ヤッター!」
「あ...でも叶弥には内緒な?」
「?なんでだ?オレ、アイツに自慢しようと思ったのに...」
「アイツ、ヤキモチ焼きだから邪魔されちゃうぞ?」
「?!ヤダ!」
「だろう?これは男と男の約束。な?」
おれは笑みを浮かべ小指を差し出すと、剛は頬を赤く染めおずおずと小指を絡めてきた。
「はい。これで約束。そうだ、昼飯と夕飯の買い出しがあるから手伝ってくれるか?」
「!わかった!オレ荷物もちする!」
「お、偉いな。頼もしいぞ。」
そうしてオレは剛と共に買い出しに行くため、凛太朗さんと叶弥の元へと訪れた。
「忙しい所すみません。これから剛と一緒に買い物に行ってきます。」
「マース!」
「お、剛手伝いか?偉いぞ。」
凛太朗さんに褒められると、また嬉しそうに笑った。
「オイ、ガキ。何ちゃっかり京と手ェ繋いでやがる。」
叶弥が剛に凄みをきかせると、剛はオレの影に隠れた。やはり叶弥の凄みは子供を怯えさせるのには十分であった。...いや、大人でも怖い、か。
「叶弥。剛がビビってるからやめてやれよ。」
「いや、京。お前今日オヤジにもベタベタ触らせてて...どんだけオレ以外の男に身体を許してんだよ。」
「おい...その言い回しはやめろ。人をビッチみたいに言うな。」
「けーじ、びっちってなんだ?」
...しまった。子供に聞かせていい言葉ではなかった。
「ガキ、ビッチってーのはな...」
「あー!なんでもないぞ?ほら、剛。お仕事の邪魔しちゃ悪いから買い物行こうなー?」
「?ハーイ!」
こうしてオレは誤魔化しながら剛を連れて買い物へと行ったのであった。




