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その番犬、狂暴につきまして。  作者: 朱音小夏


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episode58

剛は「たべるー!」と大きな声で返事をしたため、「お手伝い出来るかな?」と聞くと「できるぞ!」と元気よく応えたので一緒にキッチンへと向かった。あまりこの子はあの場にいない方が良いだろう。そう思ったからだ。先程まで剛の世話をしていた若衆にもついてきてもらったが、剛はそいつとオレを見比べるとオレの手をギュッと握ってきたのだった。


「ん?どうした?」

「名前!お前名前なんてゆーんだ?!」

「オレは"京司"って言うんだ。」

「けーじ?」

「うん。」


オレはそう言うと余っていた玉子焼きを一切れつまみ、剛の口へと入れた。


「ん!うまい!」

「みそ汁もあるから、それとご飯も一緒に持っていこうな。」

「ハーイ!」


オレが剛にそう言い聞かせると、ついてきた若衆はポカーンとしていた。オレはそれが不思議に思い「どうした?」と声をかけた。


「い、いえ...剛坊ちゃん、オレらこ言うことはあまり聞かずに好き放題だったんで...」

「お前ら子供の相手向いてねぇもんな。」

「おい!けーじ!はやくメシ食べたい!」

「ハイハイ。おい、お前メシ運んでくれるか?」

「わ、わかりました。」

「けーじ、オレ自分で持てるぞ!」

「お!偉いな。でも広間まで遠いから大人に運んでもらおうな?」

「じゃあ、手!つないで!」


剛はそう言うと小さな手をオレに向けて伸ばしてきた。まだこんなに小さいのにな...と思い、オレは剛の頭を撫でると抱き上げた。


「おわっ!けーじ、すげー!力もちだな!」

「剛くらいなら抱っこできるぞ?剛は今いくつなんだ?」

「んーと...5!さい!」


5才か...。オレが両親を亡くした時よりもだいぶ幼い。父親は亡くし、母親は行方をくらませる...。5才ならまだまだ親に甘えたい年頃だろうに...。


「剛。お前父さんと母さんいなくて悲しくないか?」


オレは思わずそんな事を聞いてしまった。剛はキョトンとした後、何故かニカッと笑った。


「けーじ!これは"男の試練"なんだぞ!母ちゃんはオレが強くなった頃に迎えに来てくれるって!」

「...剛は男前だな。」

「おう!...だ、だから...」

「?」


剛は何かモジモジとした様子を見せてきて、何か口をもごもごとさせていた。するとなかなか広間に戻ってこないオレ達の様子を見に叶弥がやって来た。なんとそのタイミングで、


「けーじ!一目ボレした!オレが強くなったらオレとケッコンしてくれ!」


そう宣言したのであった。

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