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その番犬、狂暴につきまして。  作者: 朱音小夏


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56/64

episode56

体育祭が無事終わり、クラスで簡単な打ち上げをしていると、リレーで活躍した叶弥はクラスメイト達に囲まれていた。


「ウェーイ!兄貴!流石の活躍っぷりでしたねぇ!」

「サンキュー。でも、それを言うなら京のお陰もあったからだな。」

「たしかに。田河の追い上げ凄かったよな。」

「バトンパスも上手かったよな。流石夫婦!」

「...だから夫婦はやめろ。」

「おーい、お前ら!保護者会からアイスの差し入れだぞー!あとジュースも追加してくれた。」


大森はそう言うと大量のアイスとジュースを持って入ってきた。


「先生...もしかして...」

「おう。大体五十嵐組の人達からだな!ほら。」

「京司さん!お疲れ様っす!」


大森の後に荷物を持った若衆の姿があった。クラスメイトからは、「おぉ...モノホンのヤクザだ...こんな近くで見れるなんて...」「なんかこうして見ると田河、姐さんって感じに見えるな。」「将来的にはそうなるんじゃね?」と口々に声が上がった。


「おい!お前ら、聞こえてるからな?何が姐さんだ!」

「いやいや、京司さん。オレらはいつも心の中で"姐さん"って呼んでますぜ。」

「...教育し直してやろうか?」

「まぁまぁ、京。事実なんだし照れることはねぇぞ?」

「てれてない!」


「田河可愛いー」「田河顔赤いぞー」と教室中から言われ恥ずかしさと怒りが入り混じった感情を抱いた。


「じゃあ若、京司さん!オレらはこれで!夕飯どうします?」

「簡単な夜食でいい。お前らで先済ませといて。」

「わかりやした。」


そうやり取りすると、若衆の連中は帰っていった。


「ヤクザって普段何食ってんの?毎日ご馳走?」

「んな訳ねぇだろ。作るの一苦労だわ。」

「え?田河が作ってんの?」

「オレだけじゃねぇけどな。まぁ、主だって作ってるのはオレだな。」

「京作だぜ?」


クラスメイトと話していると叶弥かわアイスを咥えながらやって来て、「京、バニラでよかったよな?」と言いながらアイスを渡してきた。


「ヒェー...。田河ハイスペじゃん。」

「ハイスペ?オレが?」

「だって、顔いいし、勉強も運動も出来るじゃん?それに加えて料理にケンカにヤクザまとめたり...」

「最後ハイスペ関係ねぇな。」

「でもそれだけ凄いってことだよ。」


そう褒められては赤い顔を更に恥ずかしさで赤くしてしまう。オレは火照った顔を誤魔化しながらアイスを口にした。「田河と棒アイスの組み合わせってなんか背徳感が...」と言う言葉は聞こえていなかった。

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