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その番犬、狂暴につきまして。  作者: 朱音小夏


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55/65

episode55

リレーの成果もあってか、体育祭は赤組の勝利で幕を閉じた。そして、なんと叶弥が最優秀選手賞を取ったのである。これには生徒よりも保護者席にいた五十嵐組の連中が盛大に盛り上がったのであった。


「若ー!!最高です!」

「叶弥ァ、良くやった!」

「...うるせぇ...」


流石祭り好きの連中だ。盛り上がりが尋常ではない。珍しくこれには叶弥も参っていた。そしてもう一人、こちらはとても落ち込んだ様子であった。


「くっそー!リレーで若に勝てばオレにも京司さんを口説くチャンスがめぐってくると思ったのにぃー!!」

「お、おい財前落ち着け!五十嵐が凄い睨みつけてきてるぞ...」

「京司さんって"五十嵐組の番犬"だろ?お前、前にケンカ売ってボコり返されてたじゃねぇか。...たしかに美人だけど、これは諦めるしかねぇよ...」

「くそ...くそぉ...!」

「ダメだこりゃ。」

「あの日...オレが京司さんにケンカ売った日...夕日をバックに佇む血濡れの姿が綺麗で、、、うつくしくて...」

「...なんか語り始めたぞ...」


財前はどうやらクラスメイト相手に何やら力説しているようで、遠目から見てもその不振さは見てとれた。


「おい、京。財前のヤローお前見ながらなんか言ってんぞ。」

「放っておけ。なんで男のオレ相手に...」

「まぁ、財前の気持ちはわからなくはないけどな。」


おかしい。オレの周りの男共はどいつもこいつもイカれてやがる...。家でも、学校でも...。女のいない環境のせいか?組はオレが引き取られる前から叶弥の母親は亡くなっていていなかったし、学校は男子校だし、女教師も数少ない。百歩譲って、オレが女顔ならまだわかる。だが現実のオレはちゃんと男とわかる顔立ちをしている。...まぁ、華奢とまではいかないが、いくら鍛えたり、ケンカしたりしても筋肉はつかない体質で細身である。だからか、大抵の不良どもからは舐めて見られるし、普通の男からはゲイ受けしそうと言われている。


「まぁ、財前の事は置いといて。叶弥、オレのタオル知らねぇ?なんか見当たらなくて...」

「あ...あー...知らねぇな。」

「...叶弥。」

「言ったら怒るだろ...?」

「内容による。」


消えたタオルの行方を叶弥に問うと歯切れの悪い返答が返ってきた。


「盗もうとしてたヤツがいたから軽くボコっちまって...そしたら血が...」

「...ハ?学校でケンカすんなって言ってるよな?」

「お前も前...いや、悪い。京の使用済みタオルは許せなくてだな...」

「...気色悪ぃ...」


最高の気分で終えたはずの体育祭は最後の最後で最悪の思い出となった。

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