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その番犬、狂暴につきまして。  作者: 朱音小夏


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51/64

episode51

「京?お前どうした?」

「?!叶弥!な、なんでもないーそろそろ開会式だし、借り物走の選手は集合だろ?ホラ、行ってこい!」

「?お前も行くだろ?てか何隠してんだ?」

「別に何も!オレはちょっと用事できたからお前だけで行ってくれ。」

「?わかった。」


オレはなんとか叶弥をかわすことができた。さて、時間は限られている。覚悟を決めるしかない。「よし...」と思ったオレの所に応援団に所属しているクラスメイトがやって来た。


「お、無事衣装受け取ってくれたんだな。いやぁ、間際に推薦したかいがあったぜ。」

「...まさかお前が?」

「悪く思うな!これも応援賞を手に入れるためだ。五十嵐いたら絶対妨害されるからな。上手いこと借り物走の空きが出てよかったぜ。さ、オレも手伝うから着替えに行こうぜ。」


そう言うと、オレはソイツに連れられて教室へと行った。そして、オレは着替え始めた、"チアガール衣装"へと。


「な、なぁ。やっぱり変じゃね?男が着るもんじゃねぇって...」

「...いや、ありだな、あり。そんじゃ最後にこのポニテのウィッグを被ってくれ!」

「こんなんもあったのかよ...」


オレは衣装だけだと思っていたので「騙された気分だ...」と呟いた。


「人聞きの悪い。組の勝利のためだ。協力してくれ。午前中だけでいいからさ。」

「ハァ...わかった。」

「サンキュ!午後一の応援合戦はジャージに戻ってくれて大丈夫だからな!午前中に勝機を上げる作戦!」


オレはこの言葉を聞いて安心した。五十嵐組の連中が来るのは仕事の関係もあり、午後からだと聞いていたからだ。少なくとも組の連中には見られないとの事だ。


「五十嵐ヤツが見たらどんな反応すっかな?楽しみ(笑)」

「...オレは全然楽しみじゃない。」

「でも引き受けてくれてたすかったよ。マジサンキューな!」


メッチャいい笑顔で言われてしまえば否とは言えない。そう言えばコイツも同じ中学で、女子人気の高いヤツだったなと思い出した。


「そう言えばなんでこんな物があるんだ?」

「あ、衣装は学校にあったヤツで、ウィッグはいいのが無かったから趣味でコスプレやってるオレの彼女に借りたんだ。」

「...なるほど。」


いい趣味を持った彼女がいたものだ...。


「あ、チア衣装だとまだ少し寒いだろ?オレので悪いけどジャージ羽織ってな。」


...モテる。これはモテるヤツだ。オレは強くそう思うのだった。

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