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その番犬、狂暴につきまして。  作者: 朱音小夏


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50/71

episode50

学校に着くと、オレ達生徒は椅子を持ってグラウンドへと向かう。そして指示された場所に椅子を置く...はずだった。本来、オレと叶弥は離れた位置に座るはずであったのだが、叶弥がオレの隣に座るはずの生徒を脅し、俺の隣を陣取った。


「おい...。お前何してんだよ。」

「あぁ?せっかくの祭りなんだから、お前の隣に座るのは当たり前だろ?」

「いや、当たり前じゃないだろ...」

「まぁまぁ、田河。別にいいじゃねぇか。夫婦喧嘩は良くないぞ?」

「お!いいこと言うな。夫婦だってよ、京。やっぱりわかるヤツにはわか...って痛え!」


クラスメイトの言葉に気を良くした叶弥は調子に乗り始めたので、オレは叶弥の足を思いっきり踏みつけた。


「おーい、1年!急で悪いんだが、誰か借り物走に出てくんねぇか?出場予定のヤツが病欠になっちまってな。」

「借り物走ッスか?...五十嵐一番足速いし、五十嵐がいいんじゃね?」


上級生からの頼み事にクラスメイトが叶弥を推薦してきた。


「あぁ?借り物走はヤル気出ねぇ...」


そう言う叶弥に、そう言われるのは想定内。とでも言うように、クラスメイトがオレに耳打ちしてきた。


「あー...。叶弥の借り物走で1位取る勇姿、見たかったなぁー(棒)」

「うしっ。オレが出れば百人力だろ。」


チョロい。チョロすぎる。五十嵐組の跡継ぎがこんなにチョロくていいものなのか...。


「借り物走の種目順は開会式のすぐ後だから、初手から1位取って覇気とヤル気に火ぃつけてくれや。」

「...田河。」

「叶弥ー、期待してるー(棒)」

「おう!任せとけ!京に1位の名誉をくれてやるよ!」

「キャー!五十嵐男前ー!」

「...叶弥、カッコイイー(棒)」


叶弥はクラスメイトやオレからヨイショされヤル気満々になっていた。クラスメイト達に叶弥が囲まれ始めた時、上級生の三人組がオレの元ヘとやって来た。たしか、応援団のヤツらだ。


「1年の田河...だったな?」

「?ハイ。そうですけど...」

「折り入って頼みがある。これを着て応援をしてくれ!」

「...は?これって...」

「お前がこれを着て応援してくれれば五十嵐だけじゃない、この組のヤツらのヤル気はアップするはず...!!」


そう言いながら差し出された衣装にオレは言葉を失った。


「...オレにこれを着ろ、と...?」

「あぁ!今はいないけど、団長命令だから!それじゃ、よろしく!」


そう言うとオレの元から去っていった。「着替えのために開会式は出なくても大丈夫だからな!」とそう言い残して。

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