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その番犬、狂暴につきまして。  作者: 朱音小夏


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45/64

episode45

翌日、学校に登校すると、オレはたくさんの視線に晒された。どうやら察するに、湊先輩のオレに対する誘拐事件の噂が広がったらしい。どうして、どうやって広まったかはわからない。だが、集まってくる視線が気持ち悪くて仕方がない。よっぽどそれが顔色に出ていたのだろう。叶弥がオレの肩を抱き、「大丈夫だ。」と言ってくれた。それがオレにとってどれだけ力強いものであるか。正面玄関を入ったところで、担任の大森が待ち構えていた。


「はよーさん。田河、五十嵐。二人共ちょっと生徒指導室まで来てくれるか?」

「おはようございます。あの...何かやらかしましたか?叶弥が。」

「おい。」

「いや、まだ五十嵐はやらかしてないから安心しろ。別件だ。」

「まだってなんだよ。まだって。」

「別件...?」


「ここじゃ、あれだから...」と大森に促されるまま上履きに履き替え生徒指導室へと向かった。そしてソファーへと腰かけると大森が、「五十嵐の話しではないと言えば別に心当たりがあると思うが...」と話し始めるとオレの方へと目を向けた。その視線で何を言いたいかわかった。どうやら叶弥も同じようだ。


「...湊、先輩のとこ、ですね?」

「あぁりこの休みにあった事件については学校側は周知している。まずは田河。学校側として何も対処出来ずにすまなかった。湊は退学処分にらなったよ。」

「そう...ですか...」

「まぁ、ヤツに関しては五十嵐組がほとんど応対したようだが...」

「当たり前だ。京に手ェ出したんだ。組総出で手をくだした。」


叶弥がそう言うと、大森は「敵には回したくない人間だもんな、お前は。」と口にした。


「ニュース案件の筈なんだがそうならなかったのは五十嵐組の根回しか?」

「あぁ。未成年ってことで名前は出ないにしろ、京の身を案じて、な。それなのに...学校内に噂が広まったってのはどういう事だ?組のヤツらには慎重に事を運ぶように言ったんだが...」

「それについてもスマン。お前らが登校してくる前に湊の両親が退学処分に対して物申しに来てな...。あまりの大声で捲し立てていたせいで応対していた校長室から外へ筒抜けになっていたらしい。」

「処分に関してはいつ出したんだ?」

「昨日の夜、緊急でな。部活動でオレも学校に来ていたんだが、お前んとこのヤツらが来て、すぐに校長も呼んで会議して...だ。」


「なるほどな。」と叶弥が言った時、生徒指導室の扉が開き、校長が息を切らせながら入室してきた。


「田河君!この度は学校側の不手際でこのような騒ぎを起こしてしまい申し訳なかった!」

「...校長先生、やめてください。もう終わったことですから。」

「だが...!!」

「オイ...」


校長が言葉を続けようとすると叶弥が低い声を出し、校長の言葉を遮った。


「京司が、"やめろ"って言ってんだ。...今、アンタらがすべきは校内に出回った噂を打ち消すことだろ...?違うか?」

「いや...そ、そうだな。私達教師一同、噂をかき消すことに尽力しよう...!」

「頼むぜ。"校長先生"。"五十嵐"の名前出しても構わねぇからな。大森、もういいよな?京、行こうぜ。」


叶弥はそう言うとオレの手を取りそのまま生徒指導室を後にした。

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