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その番犬、狂暴につきまして。  作者: 朱音小夏


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episode37

それから、まだ見ていない駅近辺を見てまわった。そうしていると、あっという間に時刻は16時を回っていた。帰り道、屋敷への道の途中にある公園に立ち寄ってベンチに座った。すると叶弥が「京司」と呼んできたので叶弥の方へ向き合うと、左手を掴まれ、先程購入した指輪を薬指にはめてきた。そしてそのままオレの手を口元まで持っていくと、指輪に口付けを贈ってきた。


「京司。お前をはめてくれねぇか?」


叶弥はそう言うと、自身の分の指輪をオレに渡してきた。なのでオレはそれを受け取り、叶弥の左手薬指にはめ、叶弥にならってそっと口付けた。


「サンキュ。京司、好きだ。愛してる。」

「...お前、よく恥ずかしげもなくそんなことを...」

「事実だからな。別に恥ずかしくもない。」


...叶弥のこういう時、漢らしくてズルい。オレにはとうてい真似出来ない。


「京司は言ってくれねぇの?」

「..!オレは...その...」

「けい...?!」

「叶弥?」


オレが言葉をつむごうとしたその時、叶弥が中途半端にオレを呼び、オレに撓垂れ掛かっててきた。オレはそれに疑問のの声を上げた。そしてそのまま顔を上げると...そこにいたのは"湊 友樹"であった。


「ダメじゃないか、京司君...。僕というものがありながら...」

「湊...先輩...」


湊先輩の手にはスタンガンが握られていた。...おそらく、叶弥の気を失わせたのはそのスタンガンであろう。


「京司君...こんなヤツを庇うことはいらないよ?僕と一緒に行こう...?」

「...誰が行くか...」

「素直に聞かないと...」


湊先輩はそう言うとナイフを取り出し、叶弥に刃を向ける。


「ちゃんと僕の言うことを聞かないと、この男には死んでもらうしかないよ...?」

「テメェ...」

「ダメじゃないか。そんな汚い言葉遣いをしちゃ。さぁ、選んで?僕と一緒に来るか、...こいつに死んでもらうか。」


...そんな選択肢を出されては、迷うことなく一択しかない。


「...わかりました。湊先輩と行きます。...だから、叶弥にナイフをあてがうのはやめてください。...お願いします。」

「いい子だね、京司君。さぁ、一緒に行こうか。」


湊先輩言葉が終わると同時に後頭部に衝撃が走る。どうやらもう一人の存在があったようだ。


「暴れられたら困るからね。しばらくお休み?」


気絶する寸前にそんなセリフが聞こえ、オレは目を閉じた。

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