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その番犬、狂暴につきまして。  作者: 朱音小夏


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35/65

episode35

ゲーセンにたどり着くと、物凄い騒音に出迎えられる。オレはこの騒音が若干...いや、普通に苦手なので耳を塞ぐ。すると叶弥はその手を取ると「直に慣れるから」と言い、そのままその手を握ってクレーンゲームコーナーをグルグルと見て回る。すると、一つのショーケースの前で立ち止まった。


「叶弥?どーした?」

「いや...なんかこのウサギ...京に似てんなって思って。」

「ハァ?!どこが!オレはこんなにファンシーじゃねーよー!」

「...可愛いとことか?」

「そんなん言ったら、そこら中の景品が当てはまることになるぞ。」

「いや、そーなんだけどさ。よし。これ取るか。」

「...マジ?」

「マジマジ。」


叶弥はそう言うと、ショーケースを真剣に見て回ると、100円を入れ操作を始めた。興味がある訳では無いのに見ているこっちまでドキドキしてくる。1回目の100円である程度出口に寄せるともう一度100円を入れ、クレーンを動かし、ウサギを一匹持ち上げると、ウサギは出口に吸い込まれるかのように落ちてきて見事叶弥にゲットされた。叶弥はそのウサギをオレに「ほら」と言い渡してきた。


「え、オレ?」

「当たり前だろ。お前のために取ったんだからさ。」

「あ、ありがと。」

「お前、実は可愛い物とか好きだろ?」

「ハァ?!何言ってんだ!」

「スマホの待ち受けとか、猫のイラストじゃん。」

「ぐっ...」


たしかに嫌いではない。どちらかと言うと好きな方かもしれない。両親が生きていた頃、オレの部屋には可愛らしいぬいぐるみが溢れかえる程あった。


「別にいいじゃん?マジメな話しをすると、オレはそのウサギを抱きしめた京を写メって待ち受けにしたい。...と言うことで京、そのままこっち見て...」

「撮らせる訳ねぇだろバーカ!」


叶弥の悪ふざけにはついていけない。そんなやり取りをしながらもいくつかのクレーンゲームをしていく。ほとんどの景品がぬいぐるみで、その全てを叶弥はオレに渡してくる。


「叶弥。叶弥もういい。オレの部屋がぬいぐるみに侵略される。」

「何それウケる(笑)」

「もういいんじゃね?腹も減ってきたし。」

「あー、もうそんな時間か。昼メシにすっか。京、何食いたい?」

「ワック。」

「なんてジャンキーな物をチョイスするのよ。」

「普段栄養に気をつけたメニュー作ってるから、偶に無性に食いたくなるんだよ。」


食事係はオレなので、組のヤツらの健康はオレの手に握られていると言っても過言では無い。だから栄養には気をつけている。そのせいか、偶に反動でジャンクフードが食べたくなるのだ。


「じゃあ、ワックに行きますか。」

「オレLLセット食いたい。」

「...その細い身体によく入るな...。」

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