episode34
それからショップを2、3店舗ハシゴすると、それぞれの店でトータルコーディネートをしてはそれを購入するという流れを繰り返した。オレは着せ替え人形にでもなった気分であった。叶弥はどの店でも楽しそうにコーディネートをしていたため、オレは止めるのを躊躇してしまう。「たまには叶弥の好きにさせてもいいか。」と思ったが、いつも好きにさせてるな...と思い返すのであった。
「そろっと休憩すっか。」
「そうだな。丁度近くにスタボあるしそこ入るか。...ココはオレが払うからな?」
「ん。...あんがと。」
オレ達はそんなやり取りをするとスタボへと入り、叶弥はいつも通りフラペチーノ、オレはアイスコーヒーを注文して席に着いた。
「ふぅ...。買った買ったァ。前からお前の服をコーディネートしてやりたかったんだよ。普段のシンプルなコーディネートも悪くはないけど。やっぱり少しは遊びたい所だったしな。」
「...とは言っても、流石に買いすぎじゃね?」
「そんな事ねぇよ。オレ、組の手伝いちょいちょいやってて、親父から十分すぎる程小遣い貰ってるからな。」
「...そんな話初めて聞いたぞ。」
「あー、まぁ、お前に言うと自分もーって言うと思ったからな。お前はメシ作ったり、家事率先としてやってくれてっから、それで十分組のためになってるよ。」
「...にしても、高校生が組の仕事に首突っ込んでいいのか?」
オレは気になったことを口にした。そしたら叶弥は口を一文字に結びそっぽ向いた。凛太朗さんも、いくら跡取りとは言え高校生に何をさせているんだ...。
「まぁ、将来はオレが組を継ぐんだし問題ねぇよ。あ、京はまだまだ組のことは気にしなくていいからな」
「...そうさせてもらう。」
オレはそう言うと、ため息をつきながらアイスコーヒーを口に運んだ。最近は少し暑くなってきたから、アイスコーヒーの冷たさが心地良い。
「さてと。まぁ、この話は置いといて。次どこ行く?服とかは十分買ったしゲーセンでも行かね?」
「ゲーセンか...。あんま得意じゃねぇんだよな...。」
「まぁまぁ。オレの華麗なクレーンゲーム捌きを見せてやるよ。」
「お前、中学の時は若衆の連中とゲーセン入り浸ってたもんな。」
オレは中学の時から組の家事をほとんど担っていたため、あまり遊び歩かなかったが、叶弥は学校終わりにも迎えに来た若衆達と夜な夜な遊び歩いていた。この頃叶弥は強い反抗期で、凛太朗さんや口うるさいヤツには反抗的な態度をとっていた。そんな中、そんな叶弥に対して恨みを持っているヤツらや近所の連中にオレまで絡まれたりした。中学の頃のオレは華奢でチビだったため、狙われやすかったが、凛太朗さんに引き取られてからは、凛太朗さん直々に体術やケンカを教わっていたため余裕で相手を伸していた。だが、一度組の抗争に巻き込まれ、誘拐され襲われそうになったのを皮切りに叶弥はオレの傍から離れなくなった。ケンカも自分から売りに行くようなことはなくなった。まぁ、襲われそうになった時もオレは相手を自分でボコボコにしてやったのだが。服を肌けさせられたのが、叶弥にとってブチ切れ案件だったらしい。まぁ、昔話は置いといて。
「クレーンゲームで破産しないようにな。」
「オレがそんなヘマすっかよ。」
そうしてオレ達はスタボを後にして、ゲーセンへと足を向けた。




