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その番犬、狂暴につきまして。  作者: 朱音小夏


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30/64

episode30

夢を見た。幼い頃の両親を亡くした日の夢を。突然独りぼっちになってしまい、最初は泣くことも出来なくなっていて。医者や看護師の言葉をまるで他人事の様に感じてしまって。医者や看護師は泣きもしないオレを可哀想なものを見る目で見てきたのを今でも覚えている。彼らがオレの病室を去って行った後、オレは糸が切れたかのように一人になった病室ではらはらと涙を流し続けた。いきなり暗闇の中に取り残されたようになったのだが、そこに一筋の光が差し込んだかのように一人の男性が入ってきた。...凛太朗さんだ。凛太朗さんは突然家族を亡くしたオレに自分の元へと来るように言ってくれた。叶弥にも引き合わせてくれた。両親と言う家族を亡くしたオレに新しく家族の温かみをくれた凛太朗さんには感謝してもしきれない。そんな夢を見ていると、どこからかオレの名前を呼び続ける声が聞こえてくる。オレが目を開けると、叶弥が心配そうにオレの顔を覗き込んでいた。


「...きょう、や?」

「京!大丈夫か?!」

「...あれ?オレなんで泣いて...」


涙を流しながら眠りについていたオレに驚いて、叶弥は慌てて起こしにかかったらしかった。叶弥はオレの上体を起こすと、頬をつたう涙を優しい手で拭ってくれた。


「...ありがとう叶弥。もう大丈夫だから。」

「...悪い夢でも見たか?」


叶弥は心配そうにオレを見た。


「どっちかと言うと懐かしい夢、かな?」

「...懐かしい夢?」


叶弥は怪訝そうにオレを見てくるので、オレは思わず「フフッ」と笑みを零してしまった。


「なんで笑うんだよ。...泣いてたから心配になったんじゃねぇか。」

「...ありがと、叶弥。子供の頃の夢を見たんだよ。」

「子供の頃?」


オレがそう言うと叶弥は不思議そうにオレを見てきた。そんな叶弥をオレは抱きしめた。すると叶弥は「け、京?!」と慌てたように声をかけてきた。


「家族を亡くしたオレに、凛太朗さんがお前達って言う新しい家族をくれた時の夢だったんだ。...嬉しかったなぁ...」

「京...」

「叶弥に出会えて、オレは変わったよ。泣き虫だったオレを強くしてくれたし、今じゃこうして愛してくれる。...オレは今凄い幸せだよ。これからもお前と共にいさせてくれ。」


オレの言葉に叶弥は力強くオレを抱きしめ返してきた。


「オレからお前を手放すことは一生ねぇよ。...万が一、オレから逃げようとしても絶対逃がしてやらねぇし、監禁してでも傍に置く。...覚悟しておけよ?」

「ハイハイ。オレはお前のものだから。めいいっぱい愛してくれよ?オレが余所見を出来ない程にな。」


そう言うと、オレ達は口付けを交わした。

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