第72回路 ビライド城
ーー翌日ーー
国境を越えた
魔族の国…
緊張感が一気に高まった
「フェニックスを呼べるとしても
こんなところじゃ呼べないから少し進んでみよう」
「自分も行けるところまで行きますよ!」
ダガポートさんがやる気を出している
「ありがとう!ダガポートさん!」
「ミズキさんに言われたらもう頑張るしかないでしょ!」
しばらく進むと山岳地帯に差し掛かった
「この辺りでいいんじゃないか?」
リードさんが提案した
ミズキは角笛を取り出す
「私、こんなの吹いたことないけど…」
角笛がメロディを奏でる
しばらくしてなぜかギターの音色も聴こえる…
ダガポートさん?
「なんか角笛の響きを聴いたらインスピレーションというか
降りてくる、そう降りてきたんです!」
2人の音色が響き渡る
「なんかこっちに向かってくるよ!」
リョンリョンのセンサーが反応した
飛行機雲のようにオレンジ色の余韻を残す飛翔体
「本当に来たよ…」
ミポポは驚き目を見開いている
フェニックスって5人も乗れるのか?
という心配は一気に吹き飛んだ
角笛の音色に誘われた大きな鳥はゆっくりと着地した
その羽ばたきだけで体が持っていかれそうになる
ミズキは慣れたように
フェニックスの頭を撫でた
「乗せて行ってくれるって!」
「えーーー!お前話せるのか?」
ビックリして腰を抜かしてしまった
「なんかリスの時の名残りかな?なんとなくそう言ってる気がするだけ」
尾の方から登って首から背中にかけて5人で跨った
「それじゃあ、しゅっぱーつ!」
ミズキの掛け声で大鳥は羽ばたき飛んだ
「案外、安定しているな」
「山の向こうに村が見える!ここから見ると人間の村と何も変わらないね」
旅行好きのリョンリョンにしたら、今すぐ降りて立ち寄りたいのだろう
「見て!あれ!お城が見える!」
ミポポは気がついた
「位置的にはあの辺りだけど…」
地図を見ながらその城を見下ろす
なんて悪趣味な色なんだろう
しかもところどころ途中になっている
「DIYで塗り出してめんどくさくて
途中で辞めちゃったのかなー?」
ミポポは職人魂がくすぐられるようだ
【ビライド城】
城門から城まで伸びる石畳と真ん中に噴水が見える
噴水の前に広場がある
そこにフェニックスは着地した
意外だ
魔王の城って手入れの行き届いていない、
廃れたイメージなんだけど…
「めちゃめちゃ綺麗な庭園、しかも芝生の長さも均等…
あのお城の色さえなければ…」
ミズキはキョロキョロしている
「そろそろ行かねぇか?」
リードさん戦闘で5人は城の方へ歩き出した
ついに…ここまで来た
城の扉の前に誰かいる!
あの白いスーツの女、サイラカと名乗っていた女性だ
「ようこそ、ビライド城へ」
「お前は何者だ!」
リードさんが声を荒げる
「まぁ、今はそんなことどうでもいいでしょ。
マーニが奥でお待ちよ」
サイラカが扉を開けた
なかは少し薄暗いが、なんだか花のようないい香りがする
真っすぐに進んでいくと10mほど先にまた扉があるのが見えた
「この奥にいるわ、4人」
「みんな準備はいいか?行くぞ!」
重い扉を開けた




