第51回路 火翼竜
通常の会話は「」魔法での会話は〈〉
みんなで声を合わせる時は〈「」〉となっております。
【セキオーク島近隣の海上】
「さぁ、気を取り直して島に向かいましょう!」
リョンリョンは仕切り直した
クルーザーのフィンが回り始めた時
「ヤバイヤバヤバイ…アイツがまた来た!」
異様な緊張感のある空気
普段鈍感な俺でもわかる魔力
これだけの影響力のあるヤツって
島の周りを囲うように大きな紫の魔法陣が6つ現れた
次の瞬間
バッゴーーーンッ
バキバキッ
海面が荒れ狂うように波音を立てる
船も転覆しないように保つのが精一杯だ
「とりあえず島まであと少しだから向かっちゃいます」
ナリアーノさんは船を無人島の岸に向かわせた
ガァルルルルーーッ
島の中心から大きな音が響き渡る
噴火の煙などは確認できない
ということは…
「さっきの脅威はいなくなったけど…コイツもヤバいよ、山の上!」
リョンリョンは指をさしたが腰が抜けて動けない
裸眼で確認できるのは鳥?なのか?
「こっちに向かってる!」
ナリアーノさんが叫んだ
どう考えても島の周りで動いているのは俺たちの船だけ
確実に標的にさせている
近づいてくる鳥?いやいやもっとデカい…翼竜だ!
海の上はアドバンテージがある
なんとか陸地に…
ナリアーノさんが船尾後方にオレンジ色の魔法陣
「ウォーターウォール!」
水の壁を作った、続け様に緑色の魔法陣
「エアーストーム!」
船体は浮き上がり陸に向かって進んでいき
無人島の岸にたどり着いた
「みんな、行くぞ!」
ガァルルルルーーッ
大きな翼はこちらに向かってくる
赤というよりは茶色に近い色
少しホバリングしたあと、ゆっくりと地上に降り立った
少しの間、睨み合ったままどちらも動かない
…ゴクリ
翼竜は首を一度後ろにしならせ
元に戻すその勢いで大きな口を開けた
ガォオオオーーーッ
大きな火の玉が飛んでくる
「ファイヤードラゴン…アイツ、ステータスバーサク状態よ!気をつけて!」
リョンリョンは忠告した
いるいる寝起きが最悪のヤツ…
「だったら、こっちも出し惜しみなしね!」
ミポポは翼竜に向かっていく
右の翼で体を覆い、守っているかと思いきや…
裏拳だ!
ミポポは刀で攻撃を受け止めたがそのまま後方に飛ばされた
「大丈夫か、ミポポ!
俺の嫁になんでことしてくれたんだ!
許さねぇ!」
リードさんはスパイラルインパクトを構えた
緑の魔方陣が2つ!
「ウォーターストーム!」
巨体が少し退いた
立ち上がったミポポは
「あら?今回はかまいたちじゃないのね?
っていうか私はあなたの嫁ではないっ!」
そう言ってファイヤードラゴンに向かっていく
「三静夜霧!」
3つの太刀筋が竜を斬りつけた
「効いてるわ、効いてるけどHPがとんでもなく大きいから
ステータスが変わらない!そのまま続けて攻撃するしか…」
〈了解!効いているならいいわ!
効いてないなら作戦を練る必要があるけど総攻撃ね!〉
ミズキが魔法発動の準備にかかった時
巨体は口から火炎放射、4本指の両手のひらから光線を出した
みんなかろうじて軽傷で済んでいる
船が危ない!視線をそっちに向ける
ナリアーノさんが防御魔法で船を守ってくれていた
ナリアーノさんと目があった
「こっちは心配ない!お好きにどうぞ!」
背中を押してもらった気がした
荒れ狂う意識を持った長い尾がしなる
リードさんは交わし切れずに剣で攻撃を受けるが力負けして飛ばされる
「リードさん!」
俺はスパイラルインパクトを構えた
氷+水、黄色の魔法陣2つ、紋章は藍色から緑に変わっていく
「流氷!」
波に押されて氷岩が竜に押し寄せる
ガゴゴーーン
「まだまだもうひと推し!」
リョンリョンはみんなに声をかける
相手も負けてられないと両翼をバタつかせ暴風を起こした
なすすべなくそれぞれ飛ばされた
ミズキは?災難が去ったと知って砂から顔を覗かせた
「モグラかよ!」
上手く機転を効かせて砂浜に潜ったらしい
〈私はネズミでもモグラでもない!かわいいリスなの!〉
人間である時間が短いからかかどうやら自分をリスだと認識しているらしい
そう人は他人からの評価、思い込みに左右される
優しそうねと言われれば優しくなるし
かわいいねと言われれば
そんなことないよと言いながらその気になる
単純だ、わかりやすい
だから、他人からリスだと言われれば
私は違うと思いながらも身も心もリスになってしまうのだろう
リスは砂から出てきて緑の魔方陣を上空に3つ発動
「サンダーランス!」
稲妻が翼竜に突き刺さる
リードさんと俺は今度は飛ばされないようにガントリックで翼竜とリンクさせた
リードさんはそれを使って巨大竜に向かっていく
「ガントリックリバース!
魔導閃光・三刀斬戰!」
剣を3度振るった
グォォーーン
「ステータスがオレンジになったよ!みんなもう一踏ん張り!」
最後の足掻き、竜は両翼をバタつかせながら口から火の玉を放つ
ミポポは上手く後ろに回り込んだ
「背中がガラ空きよ、士道不覚悟 一身月光!」
ファイヤードラゴンの首を切り落とした
「ご安全…」
ガォゴーーーン
ドガァーーーン
「えーー、アワワワワ、さっきので終わりじゃないの?」
リョンリョンは青ざめた
R7.8.20 加筆




