第33回路 魔導士ミズキ降臨
通常の会話は「」魔法での会話は〈〉
みんなで声を合わせる時は〈「」〉となっております。
橋の手前に辿り着いた。
「リョンリョン、獣の群れはどうなってます?」
「ウルシバラ、敬語はもういいよ、そんなことに頭使ってたら判断が鈍るでしょ」
「あっ、でも…」
「まぁいいわ。今の状況は…1箇所にまとまってるというよりは、村の周りにいた獣たちがゆっくりこの橋の方に少しづつ向かって矢印を描いてる感じ」
「ミポポ、この橋の入り口を中心に、
半円を描いて土属性のエリア魔法で壁、つまり砦を作って欲しい。終わった後は魔石に触って回復も忘れずに!」」
「りょーかい!」
「この上で登ってくる獣を排除する。そうすれば一度に相手する数も減らせる」
「インビジブルウォールペーパー!」
ミポポは壁紙を広げて、オレンジ色の魔法陣を出した
「アースウォール!」
下から大地が隆起し、5メートルほどの絶壁ができた
ちょうど2階建の窓から見下ろす感じだ
「リョンリョン、敵の動きは?」
「また、距離がある感じね、20分ってとこかしら」
空を仰いだ
今できること、今できること…
東の空には…
月が顔を出し始めた!
ウォーーーン
!!!
オオカミの遠吠え?!
リョンリョンが珍しく慌てている
「今の遠吠えが合図だったのか、獣が一斉に走ってこっちに向かってくる!」
たくさんの獣が林を抜けてくるのがわかる
「いよいよ来るぞ!」
先頭が壁の前に現れた
足止めを喰らって怯んでいるが…
ウォーーーン
再び遠吠えが聞こえた瞬間
獣は山に登り出した
オオカミは上手く登れるようだが
野犬はそのまま動けずにいる
上手く篩にかけられた格好だ
ミズキが両手で赤い魔法陣を発動する
〈ファイヤーボール!〉
登って来たオオカミは火だるまになって転がり落ちる
ミポポも加勢する
「ファイヤーボール!」
上まで上がろうとするオオカミの数が増えてきた
「クッソ、まだまだっ」
火属性のビットをセットしてトリガーを引く
左手の紋章は紫に輝く
「フレイムインパクト!」
黄色の魔法陣から炎の渦がオオカミたちを巻き込む
と…
ウォーーーン
橋の渡り切った向こう側、エドガル側から遠吠えが聞こえた
「なにっ?リョンリョン、状況は?」
「ヤバイヤバイ、どうしよどうしよ」
あのカタブツ現場監督があの慌てようとは!
「リョンリョン、状況を報告!」
「いやいや、さっきまで魔力を感じなかった橋の反対側に10…20?なんかドンドン増えてくーーなーんでーーー!」
(ミズキは?)
白い毛並みが輝き出している
「ミズキ!一旦リョンリョンのところに戻れ!こっちはミポポと俺で止める!」
〈わ、わかった!〉
とは言ったもののゾクゾクと到着する魔物たち
野犬も自分たちの登れる道を進んで登って来た
(マズいな…)
後方から…
山の上空に青い大きな魔法陣
「なんだ、あのデカい魔法陣は?」
ミポポの方見るとこっちを見て首を横に振る
「サンダーストーム!」
竜巻が現れ無数の雷が獣たちに襲いかかる
「あの声は?」
聞き覚えのある声にミポポは叫んだ
「ミズキ!!」
ミズキが戻って来た、人になって戻って来た!
「お待たせ!」
軽くウインクしたその姿
〈3番目は明るめ寒色基調の意外と露出の多い感じ〉
ヤバイ、カワイイ。オバチャンありがとう!
右手の薬指には見覚えのあるリング
「指輪、ピッタリだよ!」
下から上まで舐めるように見てしまった
《ピ、ビ…ポ…》
ダメだダメだ、今は目の前の敵を…
さっきの魔法であらかたやっつけてしまったらしい
「お前、青色の魔法陣って、上位魔法じゃないか!」
「なんとなくイケるなーって」
リョンリョンが言ってたように人間に戻って魔力が解放されたんだろう。それに…
「ミズキ、なんか髪の色が…銀色になってない?」
ミポポが気づいた。
いや、前回のときは髪は青かった気がする。
暗がりだったから気づかなかったのか
「そうみたい。この前の満月の時はこんな色じゃなかったのに」
ウォーーーン
今度は前からだ、近い!
「リョンリョン、後ろは警戒して何かあったらすぐ報告しろ…して下さい!」
「りょ、りょーかい」
大丈夫か?
林を向こうから随分大きな物体が木を薙ぎ倒してこっちに向かってくる。
ようやく裸眼で視認できる距離
(なにっ??)
「でかっ!」
ミポポは心の声を漏らした
地上から3メートル高のオオカミ
「ずいぶん派手にやってくれたな!
お前ら動物保護団体から訴えられればいいんだ!」
「確かに」
「いやいや、納得してないでよ、デンク」
「まぁ、所詮俺の相手にはならないが…」
大オオカミはそう言いながら
アースウォールで作り出した壁に突進してきた
ドゴーーン
一撃で破壊した
「もっと早くくるべきだったな。こんなに犠牲を出してしまって」
「お前が今回の首謀者だな?ルボーアさんたちを巻き込みやがって」
「ルボーア?あぁ、オレンジのタテガミか。まぁあいつらが先に街に着いて上手くやっているだろう」
風属性のビットをセットし、相手にスパイラルインパクトを向け黄色の魔法陣が発生した
紋章は青く輝く
「くらぇ!エアーインパクト!」
風が螺旋の波動を描きながらオオカミに襲いかかる
が、黄色い魔法陣によって無効化された
「なにっ!風属性が効かない?」
「なら、私が!」
ミポポが黄色の魔法陣を展開
「ウォーターフォール!」
上空から滝のように水が流れていく
「効かぬ、効かぬな」
「ウルシバラ!そいつは魔法攻撃が無効よ!」
しまった!
こっちに来てから魔法にばかり気を取られて
物理攻撃を疎かにしてしまっていた
まずい、どうすれば…
「だったらここは私が行くしかない!」
ミポポはオオカミに向かって行った
水平、垂直に刀を振るう
「二刀光移!」
右前足に傷を負わせたが
「なかなかいい剣だ。だがそれで俺を倒そうなんて片腹いたい」
ミポポに向かって、左前足の爪で襲いかかる
なんとか刀で受け止めてはいるが力の差は歴然、力で跳ね飛ばされた
「ウッ…」
「ミポポー!」
ミズキが駆け寄り、治癒魔法を施す
「ウワァーーー」
後方支援のリョンリョンが悲鳴をあげた
R7.8.20 加筆




