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第34回路 ハティとオオカミ女

通常の会話は「」魔法での会話は〈〉

みんなで声を合わせる時は〈「」〉となっております。

「ウワァーーー」

後方支援のリョンリョンが悲鳴をあげた

「どうした…んですか!」

「オ、オ…オオカミが…」

橋の向こうにオオカミの群れ

先頭はオレンジのタテガミ、ルボーアさんなのか?

「オオカミ、野犬たちはずいぶんやられたようね、ハティ」

「お前ら…。街の襲撃はもう終わったのか?流石だな」

「意外に苦戦しているのかと戻ってきたのよ」

「その必要はない。コイツらはここで始末するから心配するな。

それより早く行け。夜が明けてしまう」

「そうね、夜が明ける前に終わらせないとね」

そう言った途端、目にも止まらぬ速さでこっちに向かってきた!

次の瞬間!大オオカミの右足に噛みついた

「ッツ、何を…。血迷ったか」

「私たちはもう迷わない…家族を、子供たちを、未来を…守る!」

30人はいるだろうか、オオカミたちは一斉に1番大きな個体目掛けて攻撃を仕掛ける」

「…お前らあのお方に盾突くとは…愚かな…」

ハティは全身を揺さぶりまるで虫を追い払うかのようにオオカミたちを跳ね飛ばした

「アァー、グハッッ」

次々とオオカミたちは地面に叩きつけられた

「ルボーアさん!」

「デ、デンリュウさん…心配ない…私たちは犬命(ケンメイ)な判断をしたまでよ」

数はこちらの方が優っている。

ただあの巨大に致命傷を負わせられる術が見当たらない

どうにか物理攻撃で…魔法は使えな…ん?

ちょっと待てよ。これは…一度試してみるしかない!

「ミポポ、動けるか!」

「なんとか…ミズキに回復してもらったわ」

「ルボーアさん!無理しなくていいから今動ける人たちを俺の前に集めて下さい!」

「わかったわ!」

「ミズキ、この魔法が上手くいったら、最後に俺の背中を押すように魔法を放ってくれ!」

「わかった!」

そう言ってミポポ、ルボーアさんたち20人ほどが隊列を成した

「何をしても戦況は変わらぬ。明らかにお前たちの負けだ」

行くしかない、やるしかない!

ゴメルさんから宿屋に届いたコイツを…

治癒+風+治癒のプレートをビットに装着

スパイラルインパクトのトリガーを引きながら

緑+黄色+緑の魔法陣を展開

魔流紋は緑色に輝いている

きっと行ける!1/2mv2乗ー運動エネルギーは速さの2乗に比例する!

「全身全霊、この一発にかける!エアヒールインパクト!」

放たれた魔法に背中を押されて次々ととハティに襲いかかるオオカミたち

魔法で受けたダメージを相殺する治癒魔法

対象にたどり着く時には無傷の戦士たちが全身で攻撃する

「なにぃ!ウッ、ウッ、ウハァ、グフッ」

矢継ぎ早にダメージを与えていく

「いくぞっ、一身月光(イッシンゲッコウ)!」

一瞬空を仰いだオオカミのその首に深傷を負わせた

「ウルシバラ!いいよ、ハティのステータスがオレンジになった!」

「了解!」

リョンリョンのサポートに感謝する

「ミズキっ!」

緑色の魔法陣を描いた

「ウォーターストーム!」

「うぉぉーーー」

背中が、背骨が折れるかと思うくらいの水圧でハティの首目掛けて押されていく

両手でブレないように魔導ナイフを支え水の螺旋軌道に体を委ねた

「これで終わりだ、魔導ナイフスパイラルアタック!」

ハティの首を貫通した

「グハーーーッ」

ハティは息絶えた

満身創痍、戦士たちはその最後を確認し歓喜の声をあげた

ドロップした、何かのかけらを拾い腰袋にしまった

やっとの思いで立ち上がり戦士たちに左手の親指を立てて

「ご安全に!」

ミズキたちもその動きに合わせた

「やったーー!ウルシバラ、よくやったー!」

メガネ女子が泣いている

そのメガネに朝日の片鱗が映る

ミズキが駆け寄る

俺も精一杯体を向かわせる

あと1m…抱きしめたか抱きしめてないか少し感覚があったかなかったか。

ミズキはリスに…いつものミズキに。

俺の右肩、いつもの定位置にたどり着いたミズキは頬に軽くキスをしてくれた

その一部始終を見届けた後、みんなが次々にやってきて

声を掛け合った。

「ありがとう!お疲れ様!やったねー!」

長身の女性が立っている?朝日の逆光ではっきりとは認識できない

「デンリュ…デンリュウさん…ありがとう、ありがとう!」

俺に泣きながら俺に抱きついてきた

さすがによろけて倒れてしまい、覆い被さるように女性の裸体が…

(えーーーっ、そうかみんな人間に戻ったから…」

ん?なんか今、顔を舐められた?気のせいかな

いや、舐められている!

「ありがと、ありがと、本当にありがとう!」

オオカミ?犬だ、犬の愛情表現だーー

「ルボーアさん!やめてください!ちょっと!

もう人間ですよ、人間にもどってますよ!」

「構わない、構わない、感謝と信頼をこうやってしか表現できないのよ!受け入れて!」

「受け入れてって言われても…」

裸の女性の感触を…

《ピーポーピーポー》

いや、そうなるわな…

ミズキはなんとも言えない表情をしているように見える

落ち着きを取り戻したルボーアさん

「さ、村に戻ろう!」



黒いマントを全身まとった女性が一部始終を見届けた

「奢れるものは久しからず…か」

シュイーーーン

R7.8.20 加筆

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