異世界での最後の平和
人間というのは生活リズムというのがあり朝のいつも起きている時間が近くなると眠りが浅くなり目を覚ます準備ができるのだという。
俺の場合は朝7時に起きる、そのせいで休日だろうと7時に目が覚めてしまう、もちろん二度寝するけどさ。そして今日、いつものごとく目が覚める、正確には目が覚める一歩手前といったところか。
朝起きると必ず時間を確認する、とりあえず隣に置いてあるはずの携帯をとろうとする…なんだか柔らかいものに手が触れる、なんだろう、すごく柔らかい…そこでその物が何か確認しようと重いまぶたを開け体中が痛いのを我慢してそちらを向く。
「あ…」
そこには柔らかいサラの胸とちょうど目が覚めたのかこちらを睨むサラがいた。
「な、な、な、なにをするんですかー!!!」
サラが真っ赤になって怒鳴りながら昨日モンスターと戦う時に使っていたフォークの槍を出す。
「ご、ごめん!いつも俺の横に携帯を置いていたからつい…本当にごめん!だからそのフォークをしまって!」
「も、もう、いくら直也様が私の召喚者だからってやっていいことと悪いことがありますからね!」
「わかった、ごめんて!だからフォークをしまってくれ」
俺の言葉にサラは落ち着いたのか何やら考え出す。
「もしかしてフォークってこれのことを言ってます?」
「あ、ああ、そうだけど?」
「フォークじゃありません!これは三叉槍といって私のお気に入りの武器なんですからフォークと言わないでください!」
あれ〜、怒るとこが変わってるぞ…まあいいかよっぽどお気に入りなのだろう。
「わかったわかった、三叉槍ね!」
「わかったなら許します。さっきのことも次は怒りますからね!」
いやいや、充分怒ってたけどねとは俺が悪いだけに口には出せない。
目が完全に覚めたところで立ち上がろうとすると背中から肩にかけてズキンと痛む。
「う、痛たた…」
「どうしたんですか⁈大丈夫ですか??」
慌ててサラが近づいてくる、元々があまり離れていなかっただけに距離が近い。
「あー、大丈夫大丈夫、ただ固い地面に野宿が慣れてないから背中を痛めただけだ」
「それなら!昨日モンスターを倒してお金が少し手に入ったじゃないですか?今日も少し倒して宿を見つけましょう!私、町へ行ってみたいです!」
そういえば異世界に来て町へ行ってなかった、勿体無い、異世界といえば町なのに、街ではなく町なところがまた乙なのだ。
「いいな、先にモンスターを狩って町へ行ってみるか」
1時間後
町並みが見渡せる山道を俺たちは下っている、もちろんモンスターを狩ったあとなので75ゴールドというお金を持っているから気分は旅行者だ。
「うわあ!ここが町なんですね!私召喚されたのが初めてなので町へ来たのも初めてなんです!」
「そ、そうか、良かったな!」
俺もこんな異世界の町は初めてなのですごい興奮してはいるがサラがはしゃいでるので俺は落ち着ける役に徹することにする。
しかしすごい町並みだ、まさに異世界の町並み、建物は基本二階建てでレンガ造り、町の広場には噴水があり子供達が遊んでいる、店もたくさんある、八百屋、果物屋、魚屋、あれは宿屋かな。
「直也様!武器屋がありますよ!」
呼ばれて見た方向には異世界の武器屋って感じの武器屋があった、小屋の窓から武器を売り買いする感じのやつはいかにも初歩の勇者が買う武器が揃ってそうだ。
「サラ、今日は宿を先に探す予定だったろ、あっちにそれっぽい店があったから行ってみるぞ」
サラは少しガッカリした様子でおとなしく従って後ろをついてくる。
やはり先ほど見た店は宿屋で、見た目はボロいけどちゃんと営業しているらしい。
「サラ、1日いくらって書いてる?」
俺は異世界の言葉が読めない、話せるのに…
「ええと、1日150ゴールドですって!」
「高っ!全然足りないぞ、他の店に行くぞ!」
そして俺たちはまた別の宿屋を探すことにした、その前に休憩がてらそこらの喫茶店みたいな店に入ることにした、まさかその喫茶店であんな事件が起こるなんて…俺たちはまだ知らなかった。




