狩猟
キターー!!
と叫ぶのは恥ずかしいので俺は心の中で叫んでいた。その理由はもちろん目の前にいる悪魔っ子のサラである。異世界ものの定番といえば美少女ヒロインだ、つまりやっぱり俺は主人公的な存在でありヒーローだということだ。
「あの…あなたが召喚してくださったのですよね?」
おっといかんいかん、この状況に感度しすぎたようだ。
「あ、ああ。そうだよ、俺は大和直也、よろしく」
「よろしくお願いします!直也様!」
可愛いやんけ!俺は今、異世界ライフを充実してる!しかしやっぱりここは召喚者として冷静にならなければな。心の中で自分を落ち着かせる。
「別に様付けでなくていいんだぞ?」
「い、いえ、悪魔にもいろいろいますが私たちのような中級悪魔は召喚者に敬意を持って接するように教えられてますので。」
「そ、そうなのか、ならこのままで…」
おかしい、俺はコミュ障のつもりはないのだけれど言葉が思うように出てこない。
話題を出さないと落ち着かないのでこの世界のことを聞いてみるとする。
「な、なあ、この世界のことをいろいろ教えてくれないか?俺って実はこの世界に来たばかりなんだよね。」
30分後・・・
「なるほど!よく分かったよ、俺からの質問はもうない、ありがとう!」
ざっくりこの世界のことを説明するとやはりこの世界はゲームのような世界でRPGに近いような気がする。
「分かっていただけて嬉しいです!」
本当に嬉しそうに言うなぁ、と思っているとサラは地図を見せてくれというので初期装備のカバンから地図を取り出す。
「今は私たちはここの洞窟にいるのでこのすぐ近くに雑魚モンスターが生息しています、狩りに行きましょう!」
さっそく洞窟を出て狩場に行く、洞窟を出るとここは山だったらしく周りは木々に囲まれており、木には鳥がとまっている、日本の雀よりは色が青っぽい。
しばらく歩いていると木が少なくなってきて草原に出る、どうやらそこが雑魚モンスターの生息地らしい。
「あれがモンスターか?一見ウサギのように見えるが…」
そう、そこにいたのはウサギのような生き物、ただ耳が本来のウサギより長くて4本なのがモンスターっぽいといえばモンスターっぽい。
「あれはウサットというモンスターです。さあ戦闘準備を!」
名前もウサギっぽい、しかしもっと重要なことは他にあった。俺…戦う手段なくね?
「すすすまん!俺は今戦闘スキルが1つもない、サラ1人で戦えるか?」
けっこう情けないことを言ってるのを承知でサラに聞く、ああ情けない…
「私1人で戦えますよ、あのウサットは弱いですし。」
瞬間、サラの手には悪魔特有の槍の先端がフォークになっているやつが現れた。
そして地面を駆け抜けウサットの群れに突進していく、ウサットは次々に薙ぎ払われ息絶える。5匹倒したところでウサットは散り散りに逃げていった、ウサギに似ているだけあって逃げ足が速い。
「ふぅ、すいません、これしか倒せませんでした。」
申し訳なさそうに言ってくる。しかし初陣でこれだけ捕れれば十分だろう。
「いいさ、サラがいなければ捕れなかったしな、ありがとう。」
サラは途端に笑顔になる。突然腕のリングがピロリンと音が鳴る、ホームボタンを押してみるとどうやらレベルが1上がったようだ、サラも同じく上がったようでとても嬉しそうだ。というか戦ってなくても経験値が入ってたのは驚きだ。
スキルポイントというのが手に入ったらしいがレベルが1上がった程度では何もすることがないのてそのままリングのホーム画面を閉じる。
「じゃあ、このウサットを持ってとりあえず洞窟に帰るか」
「そうですね今日はこれくらいにしといた方がいいかもしれませんね」
こうして洞窟に戻ってきた俺たちはとりあえず焚き火をしてウサットを焼いて食べることにした。味はまあ悪くはない、何より肉が柔らかい。
食べ終わったら今日1日の疲れが出たのかとても眠くなった。
「サラ、今日はもう寝よう、流石に今日はハードな1日だったから疲れたよ、てか*悪魔も寝るよね?」
「はい、上級悪魔には眠らない種族もいるそうですが私は睡眠を必要とします。」
やはりか、まあ表情がもう眠いと言ってるような感じだが…
「そかそか、じゃあおやすみ。」
「おやすみなさい、直也様。」
俺にとっては慣れない野宿にも関わらずにすぐに寝付くことができた、疲れとは恐ろしいものだ。
こうして異世界ライフの1日目は終わった。




