第二十七話
「なぁ、本当に後悔しないんだな。」
「あったりまえじゃん!」
葉月は先週確かにそうはっきりと言い放ち入部した。入部したと言うのもアニメ同好会から「現代二次空想研究部」へと変化を遂げたからだ。三人いればうちの学校は部として認められるらしい。
入部直後、神前から大量のギャルゲーやら薄い本やら「これ、この部で必ず必要な知識たちよ」と言われて渡されていた。
ちなみに、顧問には校長先生の名前があった。
なんでも神前が「名前だけでも」と頼み込んだらしい。まぁ、実際名前だけの方が助かるけどな。
で、そうそう。
葉月はというと…
「…ねぇ、ギャルゲーの良さは伝わったよ。神前さんからのオススメ凄く良かったし。でもね、」
あの葉月が声を大にして言い放つ。
「BLは分かんないよ!!!!」
葉月がキレた。その声を聞いて俺はディスプレイに緑茶を吹いた。カテキンで綺麗になるかな?
「やっぱ覚醒はなかったかぁ…。」
「やめて!神前さん!残念そうにしないで!私、ノーマルな人だったんだよ!」
「いやぁ、美味しいって言ってクラスの男子の中でカップリングを見つけ出してくれるかなと思っt(ry」
「んなわけないでしょうよ!」
だろうな。
俺でも理解するのに半年はかかった。今でも良さは分からないが一定数の需要があるのだと理解した。
「しかし神前お前BLもいけんのな。」
「いや、私も良さは分からない」
「「え?」」
爆弾発言に対して俺と葉月は目を合わせた。
そして、
「私、どっちかというと百合のほうが良もの。」
「じゃあ、わかんねぇだろうよ!」
今度は俺がキレた。
「まぁ、とにかく葉月がこっちの入り口をようやく通過したってことで。」
取り敢えず場を落ち着かせる俺のスキル発動。
閑話休題。場面展開、神前宅にて。
いつものように神前とギターやらなんやら練習していたら葉月とやりたそうだったのでギターを渡してみた。
「ぐぬぬ…。」
やはり覚醒は無く、葉月は葉月だった。
というわけで、葉月はアシスタントに。
やることもないので部屋の隅でさっきのファッション誌を読んでる。
あれ買ったのね。
…。
え?
やっぱ文化祭出ることに決定…して…る?
「なぁ、やっぱ出るの?」
一応聞いとく。
「…下ネタ?」
あー、神前に聞いた俺が馬鹿だった。
「文化祭にだよ!」
「あー、それね。もう顧問の先生がノリノリだけど。」
校長…。
「わーったよ!やるよ!出るよ!出りゃいいんだろ!」
「話が早いじゃない。じゃ、どのエロゲの曲を…」
「神前。」
「…すいませんでした。」
舎弟は健在みたいだ。
「しゅーちゃん達はエロゲを文化祭でやるの?」
葉月が壮大な勘違い。
神前は致命的な阿呆。
まとまんねぇ…。
「…あーあ。」
やっぱ零れちまった。




