表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やり直し勇者は溺愛される ~魔王を倒した勇者ですが、平和の代わりに元仲間たちとのお見合いが始まりました~  作者: 希月タカトラ
やり直し勇者と水辺の少女たち

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

90/115

番外編 やり直し勇者と水辺の少女たち 前編

いつも読みに来てくれてありがとうございます。


番外編

【やり直し勇者と水辺の少女たち 前編】


お楽しみください。




 ――セレンディア領 クレア街道――



「はい、次はララちゃんの番ですよ!」


「えっと……これと、これ?」


「はい、正解です! よくできました!」


 早朝から行動を始めた俺たちは、セレンディア王族が所有する湖畔に向かうために、馬車に乗っていた。


 別荘までは、城から馬車で2〜3時間の距離だったが、さすがに魔王たちを馬車に乗せることはできない。


 というわけで、俺・イリーナ・ミリス・ララティアの4人で先に別荘に向かい、到着したらララティアのスキル『ファストトラベル』を使って、残りのみんなを別荘まで移動させる段取りとなった。


 そんな馬車のなかでは、ヒマを持て余して退屈していたララティアのために、イリーナが絵札を使った遊びをしていた。


「……勝った……」


「ララちゃん、お強いのですね!」


「ふん……もう一度、やる……」


「はい! いいですよ!」


 はたから見れば仲睦まじい親子のそれだが、実際は聖女と魔王の娘という奇妙な組み合わせだった。


「お兄ちゃん! イリーナさまのお母さん感がすごいです!」


 なぜか、ミリスが誇らしげに伝えてきた。


「クロードさん! イリーナさんからママみが! まさに聖母のようです!」


「うるさいぞ! てか、なんでお前もいるんだよ!?」


「なんでって、基本的にクロードさんに同行しないといけないですし、それに浮けるから馬車のなかも平気ですからぁ〜」


「はぁ……」


 この女神は、便利な能力を持っているくせに、まったく役に立たないのだから宝の持ち腐れではないのか?


 そんなことを思いながら、俺たちは湖畔の別荘へ向かう馬車のなかで揺られていた……




 遊ぶのにも飽きたララティアが、イリーナの膝を枕にして眠ってから半刻ほどして、街道の先に大きな湖が見えてくると、イリーナが俺に話しかけてきた。


「クロードさま、あれが別荘近くにある湖で『クレア湖』と呼ばれております」


「クレア湖? 確かこの街道もクレア街道って名前だった気がするが、誰かの名前から取ったのか?」


「はい、『始まりの聖女クレア』さまが、魔物の討伐を行ったさいにできた大穴が湖となり、その名前が付けられたと聞いております」


「へぇ、そんな聖女さまもいたんだなー」


「なんでも、一度の力の行使で、できた大穴らしいですよ!」


「……それ、絶対尾ひれが付いて神格化されてるだろ?」


 そう言いながらも、窓から見えるその景色に、俺は心が癒されるような気持ちを感じていた……


 ……別荘は湖を見下ろせるような高台にあり、外からでも湖全体を見渡せた。


 しかし……別荘と聞いていたから、大きめの家を想像していたのだが、木造の立派な屋敷が建っていて驚かされた。


 そして別荘に着いた俺たちは、当初の予定通り、ララティアのスキルで、残りのみんなを別荘に連れてきた。


「ではみなさま、お部屋にご案内いたしますね! 荷物を置いたら浜辺に集合です!」


 それで部屋に荷物を置いた俺は、さっそく別荘から出て、湖の浜辺まで来たのだが……


「みんな遅いな……場所を間違えたか?」


 だが、別荘から浜辺までは一本道だから迷うこともない。


「まぁ、俺にはわからん準備とかあるのかな?」


 そんな結論に至った俺は、その場に座り込んで湖畔の景色を眺めていた。


 そこには、俺の求めていたものがあった……


 キレイな湖に豊かな自然、こんなところで畑を耕したり狩りを楽しんだり、たまに街まで遊びに出かけたりして毎日を過ごせたら、どんなに楽しいだろうか。


「平和だな……」


 そんな、理想的な隠居生活を夢想していると、聞き慣れた声が聞こえてきた。


「クロードー! お待たせー!」


「クロードさま、お待たせしました」


「待たせたわね! てか何してんのよ?」


「お兄ちゃん、待たせてごめんなさい……」


「おお! やっときた……」


 俺がみんなに向かって返事をしようと振り返ったその先には、戦場のなかで見慣れたはずの、でも何かが……どこかが違う『彼女たち』の姿があった……

 

 そこにいたのは、4人の女性たちで、俺は彼女たちをよく知っていた。


「その、変……かな?」


 そう言って照れるクレスは、髪をお団子状にまとめ、胸元には、幾重にも重なったフリルが付いたオレンジ色の水着を着ていた。


「お気に召したでしょうか?」


 そう言って微笑むイリーナは、髪を大きな三つ編みで束ね、小さなフリルが可愛らしい白い水着を着て、腰にパレオを巻いていた。


「お気に召さないなんて、言わせないわよ!」


 そう言って凄むルーシェは、髪を大きなリボンで結び、深い藍色に金の刺繍が施された水着を着ていたが、布面積がとても少なかった。


「あんまり、落ち着かない……です……」


 そう言ってもじもじするミリスは、髪を編み込みで纏め、メイド服を思わせる白いフリルと黒のワンピースの水着を着ていた。


 俺は、目の前にいるヒロインたちの姿に見惚れ……戸惑い、状況を整理していると、セレーネが騒ぎ出した。


「ぷっはぁ! これですよ! これ! やっぱりラブコメで別荘って言ったらこれがないと!」


「お、おい! これってなんだ!? いったい何が起きてるんだ!?」


「えぇ! 何って、見ればわかるじゃないですかぁ!」


 セレーネは、俺の問いにそう答えると、鼻息を荒くして語り始めた。


「いやぁ! いいですねぇ〜! クレスさんはみんなに負けないように、コンパクトなお胸をフリルで誤魔化す頑張りと健気さ!

 そしてイリーナさんの、純白の水着とパレオでお淑やかさを出していながらも漂う、新妻感的エロス!

 それにルーシェさんのお胸! 肩掛けじゃなくて、首から下げるタイプの水着で胸が寄せられて、元々ある谷間が凄いことに!

 更にミリスさんの一見露出を抑えているように見えて、胸元は広めに開けて、ちゃんと谷間ができていることをアピールしている!

 わかりますか、クロードさん……つまり『感無量』の一言です……」


「いや、めっちゃ喋ってるけどな! 一言どころか、みんなへの感想を分け隔てなく言ってて感心すらしたわ!」


「すみません、読者への細かな説明は必要だと思いまして……ちなみに、"X"でイメージ画も載せますので、ご確認くださいね!」


「なんの話!?」


 そんなやり取りを続けていると、ヒロインたちの後ろからもう1人、声を張り上げて近づいてくるのがわかった。


「ク、クロードさまー!」


「この声……ララティアか!?」


 その声が聞こえる方へ視線を向けると、ララティアもいつもと違う格好をしていた。


 ――が、その瞬間、時が止まった。

 

「すみませぇ〜ん! イメージ画の共有は、4人までが限界みたいなんで、ララティアさんの分はまた次回にしますね! バイバァ〜イ!」




 ――やり直し勇者と水辺の少女たち 前編 完――



ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


少しでも面白い、続きが気になると思っていただけたら、ブックマークや評価で応援していただけると励みになります。


次回もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ