エピローグ
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エピローグ
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――スロット1 ロード後 セレンディア城 内庭――
4人のヒロインたちとの攻略を無事に終わらせた俺は、城の内庭で、また頭を悩ませていた。
「で、どうすんだよ、俺ぇぇぇ!!!」
「クロードさぁん、これは全員責任取るしかなくないですかぁ?」
「全員って……そんなの、アイツらが許すわけないだろ!?」
「いやぁ〜、多分みんなOKしてくれると思いますよぉ?」
「何を根拠に?」
「だって4人とも、クロードさんのこと大好きだし、みんなのことも嫌ってないから大丈夫そうですよ?」
「……そりゃあそうだろうけど……」
俺は、もう一度頭を抱え込み、決まりきっている選択を……一択しかない答えに悩まされていた。
「もう、陛下たちを待たせる訳にもいかない……」
「そうですよぉ〜! ココはもう『全員、幸せにする』と言って『英雄は色を好むエンド』で終わらせましょう! 真の結末はすぐそこですよ!!」
「……マジで上手くいくの?」
「……早よいけ! 覚悟を決めろ! ひけば老いるぞ! 臆せば死ぬぞ!」
「……もっといい場面で聞きたい台詞だったな」
セレーネが最後の決断を迫ると、俺はあきらめのため息を吐いて、覚悟を決めた。
「じゃあ……いくかぁ……」
「おぉ〜!」
(……でも、これでコイツとも別れが来るのかと思うと、一回くらいちゃんと、感謝の言葉を伝えなきゃな……)
「いえいえ、感謝の言葉なんていいんですよぉ〜、だから早く天界に返してくださいね!」
「……はぁ……」
俺は余計なことを考えるのをやめて、陛下の待つ談話室前へと向かった。
「おぉ、クロードよ! もうよいのか?」
「……はい、お待たせしてしまい、大変申し訳ございません……もう大丈夫です」
何度目かの陛下とのやり取りを終えて、俺たちは談話室へと入った……
クレス、イリーナ、ルーシェ、そしてミリスの4人が部屋の中にいる。
改めて思うと、みんなを理解するためとはいえ、記憶の中を勝手に覗いたのは、申し訳なく思う。
しかし、そうも言ってられない。
俺が急いだのは、陛下を待たせていた事もあるが、攻略前のこの時点では、俺はミリスの【認識改変】の影響下にある。
だから、急いで答えを出して、彼女のスキルを解除させる必要性があった。
「陛下……実は、もう答えが出ております……」
俺は話を進ませるために、まだ揺れている覚悟を無視するように、陛下に進言した。
「ほう! それは驚きだな……して、どの花嫁を選ぶのだ?」
そう言って陛下は、聞き慣れてしまう程に聞いた口上を語り出した。
「勇者クロードよ! 魔王がいつ戻ってくるのか? それは十年後か? それとも百年後か? そんなものは誰にもわからぬ……ならばこそ! 勇者の血を絶やしてはならないのだ!」
(そんなの関係ない! 俺は彼女たちと……)
「さぁ! 勇者クロードよ! ここに貴公を知り、貴公と結ばれることを望む娘たちがいるぞ! 貴公はどの娘を妻とするのだ?」
(どの子じゃない! 全員を幸せにしてみせる!)
「長き時をともに過ごした幼馴染か!? それとも信仰深き聖女か!? それとも才溢れる魔術師か!? それとも!?」
(同じ時を過ごせなかったクレス……俺を神として信仰したイリーナ……確かなつながりを求めたルーシェ……そして影から支えてくれていたミリス……陛下の、ここの溜めってミリスを見ていたんだな……)
俺は、陛下の声に合わせて4人を見回した後、陛下を見ると、その視線はしっかりとミリスにも注がれていた。
「全員……と申すなら、それでも余はかまわぬぞ……」
陛下の口上が終わり、その口は含みを帯びている。
そして、全員の視線が俺に集まり、俺の決断を心待ちにしていた。
「わ、私の……俺の答え……は……」
俺は、かしこまった口調をやめて、一度だけ深呼吸をすると、意を決して答えを口した。
「俺の答えは……」
その時――
禍々しい気配を瞬時に感じた俺たちは、武器を構えた。
そして――
テーブルの上が、何もないはずの場所が歪み、捻れていく。
そして、その歪みは捻れた穴となり、その向こうからは暗黒が顔を覗かせた。
俺たちは何が起きたのかわからず、その穴を凝視していると、俺の背後にいたセレーネが声を上げた。
「嘘っ!? これって……」
「おい、セレーネ! 何か知ってるのか!?」
俺は周りの事も気にせず、セレーネを問いただした。
「わ、わかりません! でも、こんな事が出来るのは……」
セレーネが、何かを言いかけたその時――穴の中から何かが姿を現した……
それはコウモリの翼を思わせ、自身の体を包むようにし、穴から現れると、『バサッ!』っと力強く翼を広げた。
そこから姿を見せたのは、1人の少女だった……
見た目は若く、10代前半を思わせる少女は、肩まで伸びた桃色の髪と小さく伸びた二つの角、瞳は血のように赤かった。
黒と赤を基調としたフリルのドレスは、まるで人形に着せる服を思わせて、どこか愛らしさを感じさせた。
その少女は、テーブルの上にゆっくりと着地すると、腰に手を当てた格好で、高らかに声を上げた。
「はーっはっはっは! アタシの名は『ララティア!』『魔王ベルガドーラ』の娘にして、魔界を統べる王妃であるぞ!」
「魔王の娘だって!?」
その少女の名乗りに、俺はただ驚き、言われたままを口に出すしかできなかった……
――エピローグはまだこない 完――
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