表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やり直し勇者は溺愛される ~魔王を倒した勇者ですが、平和の代わりに元仲間たちとのお見合いが始まりました~  作者: 希月タカトラ
やり直し勇者と偶像に祈る少女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/70

イリーナ編 偶像の正体

いつも読みに来てくれて、ありがとうございます。


【偶像の正体】


お楽しみください!

 

――セレンディア城 西の塔――

 


 陛下から宿泊の許可をいただいた俺は、夕食を済ませ、セレーネを呼び出した。

 

「セレーネ、いるのか?」

 

「はぁ〜い! いますよぉ〜、これはこれは、危うくイリーナさんのぺぇぺぇを堪能しそうになった、クロードさんではありませんかぁ〜!」

 

「よぉーし! 今からこの剣のサビにしてやろう!」

 

「冗談ですってぇ! っで、どうでしたか? イリーナさんとのお話は?」

 

 セレーネはふとふざけた口調をやめ、マジメな声色で俺に問いかけてきた。

 

「どうだったもなにも、見たまんまさ! 普通に会話を楽しんでたと思ったら、イリーナの行動にタジタジになって、なんとか明日出かける約束だけして帰ってきた感じだな!」

 

「自分でタジタジって言ってて草ですよ……」

 

「……草ってなんだよ?」

 

「まぁそれは置いといてぇ〜、さっきの話の続きですよね?」

 

 セレーネの切り替えに俺は、不服に思いながらも応えた。

 

「そうだ……お前はイリーナの信仰は問題ないと言っていたな? あれはどういう意味だ?」

 

「それはですねぇ〜、まずなんで神聖術や精霊術が使えるかわかりますか?」

 

 セレーネの問いに、俺は覚えている内容を話した。

 

「たしか……女神の祝福を受けている俺たちは、その影響で精霊との対話が可能で、それを使って精霊術を行使できる」

 

「正解です! でも、それは精霊術だけの話です! では、神聖術は?」

 

「お前が前に言ってたろ! それも神々の祝福を受けた一部の人間が使えるって」

 

「そうですね……でもそれって信仰する神の位によって、祝福の度合いが変わるんですよ!」

 

「……どういうことだ?」

 

 俺はセレーネの説明が理解できず、聞き返してしまう。

 

「つまり! イリーナさんが異教徒だったとしても、私と同等か、それに属する存在を信仰していないと、あんな力は使えないってことです!」

 

「……そうなのか?」

 

「はい! そして、『人間界』で私と同等の神は存在しません!」


 セレーネは、腰に手を当て自身の神格の高さを豪語し、その答えを口にした。

 

「『人間界』でってどういうことだ?」


「神にも担当とかあるんですよぉ、なので! 考えられる答えは、1つです!」

 

 そう言って、セレーネは人差し指を立てて、俺に答えを出した。

 

「私に属するなにかを信仰している……つまり、イリーナさんは異教徒ではなく、宗教の派生派閥になっているだけです!」

 

「……派生派閥?」

 

「はい! しかも、だいぶ強力な偶像を信仰しているみたいですねぇ〜」

 

「本当に偶像なのか? 例えばお前の知らない神が存在するか誕生して、それをイリーナが信仰している可能性は?」

 

「ないですね!」

 

 俺の可能性の示唆をバッサリと切り捨てると、セレーネは続けて答えた。

 

「さすがに私と同等の神が人間界に現れたらわかります……新しい神も、数百年に一度くらいで誕生しますが、我々は信仰の大きさが力の大きさに比例します……生まれたばかりの神なんて話になりません、それこそ『赤子も同然』ってやつです!」

 

「なるほど……なんでお前にそこまでの信仰があるのかは不思議だが、とりあえずイリーナが、異教徒として処断される可能性はないってことだな」

 

「……なんかすごい失礼なこと言われた気がしますが、その通りですぅ〜」

 

 その言葉に俺はひとまず安堵のため息をついた。

 そして話をイリーナの件に戻した。

 

「セレーネ、お前から見てイリーナはどう思う?」

 

「なんかもう、全体的に柔らかそうでヤバいです!」

 

「……そういうことではない!」

 

「もうぅ〜冗談ですよぉ〜! ……まぁ、はたから見た印象は、会話が噛み合ってるようで噛み合ってない、ですね!」

 

「『噛み合ってるようで噛み合ってない』?」

 

「はい! イリーナさんは、たしかにクロードさんを見て、しっかりアナタの言葉を聞いて話をしています……」

 

 セレーネは途中で言葉を止めると、すこし考えたのち、言葉を紡いだ。

 

「……でも、なにか……曲がった捉え方をして、クロードさんがタジタジになるみたいな……すみません、私もうまく言えないですねぇ」

 

 セレーネが珍しく言葉が詰まり、謝罪する状況に驚きながらも、俺は彼女の意見に同意した。

 

「いや、俺もその違和感はなんとなく思ってはいた……それが、育ちからくるものなのか? それとも別の要因なのか? わからなかったが……」

 

「そうですねぇ〜、そこら辺も明日のお出かけでわかるといいですねぇ〜」

 

「まぁそうだな……とりあえず、明日がんばるしかないか……」

 

「ええ、明日も早いでしょうから、早く寝たほうがいいですよぉ〜」

 

「ああ、そうするよ……じゃあまた明日な」

 

「はい! おやすみなさぁ〜い!」

 

 俺はセレーネとの挨拶を終えると、寝室に向かいベッドで横になる。

 今までの疲れが溜まっていたのか、俺はすぐに眠りに落ちた……




 ――セレーネ リビングにて――

 


 私は彼がリビングから出て行くのを見送って、手を振っていた……

 

「はぁ……クロードさん、あの調子だと気付いてないですねぇ〜、さすがは主人公……『鈍感』『朴念仁』『唐変木』はパッシブなんですかねぇ〜」

 

 私は呆れた口調で彼のことを呟くと、テーブルにあるクッキーを手に取り口へと放り込む。

 

「まぁ、イリーナさんの信仰する『神』にどうやって打ち勝つのか? おそらく『神殺し』を成さなければ、彼女は永遠にあのままですよぉ〜」

 

 私は『誰が』聞いているかも知れない空間で、独り言を垂れ流しながら、テーブルのクッキーを食べ続けていた。

 

「このクッキーうまっ!!」




 ――イリーナ編 偶像の正体 完――



最後までお読みくださって、ありがとうございます!

広げた風呂敷(女神の設定)を、ちょこちょこ回収させていただいております汗


【お知らせ】

明日より、夜の落ち着いた時間によりゆっくりお楽しみいただけるよう、

更新時間を「21時ころ」に変更いたします。引き続きよろしくお願いいたします!


▼次回予告

『女神を殺す……』


――本作を気に入った!続きがちょっと気になる!と思っていただけましたら、

ページ下部にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして評価と、ブックマーク登録で応援していただけると、毎日の執筆の大きな励みになります!何卒よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ