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やり直し勇者は溺愛される ~魔王を倒した勇者ですが、平和の代わりに元仲間たちとのお見合いが始まりました~  作者: 希月タカトラ
やり直し勇者と偶像に祈る少女

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イリーナ編 秘密の部屋

いつも読みに来てくれてありがとうございます。


新章【やり直し勇者と偶像に祈る少女】

『秘密の部屋』


お楽しみください!

 

 ――談話室――



(スロット2をロード)


 【スキルの使用を確認しました。スロット2のセーブポイントをロードします】



 俺は見合いの場で誰かを選ぶのではなく、みんなを知るための時間を頼み、そしてその機会を得た……

 この見合いのおかげで、俺は彼女たちの想いを自覚し、ちゃんと向き合うための覚悟を決めた。


「……でクロードよ! 誰から知るのだ?」


 陛下の問いに、誰と関係をやり直すのか、想いを巡らせ、俺は彼女に声をかけた……




 ――イリーナ攻略 1日目――



「イリーナ……いけるか?」


「……はい、もちろんです!」


 俺の誘いに、一瞬の戸惑いを見せたが、イリーナは嬉しそうに返事をしてくれた。

 だがすぐに、他の2人のことを気にして、俺に問いかけてきた。


「……でも、わたくしでよろしいのでしょうか?」


 イリーナは、申し訳なさそうに二人の方に視線を向けると、クレスとルーシェが苦笑混じりに応えた。


「もう、イリーナったら、私たちなら大丈夫だから気にせず行っといでよー!」


「そうよ! アンタこの日のために色々してくれたんだから、こういうときくらい、自分のこと優先しなさいよ!」


 二人の言葉に促されるように、イリーナは俺に向き直す。


「……わかりました、それではクロードさま……よろしくお願いいたします」


「ああ、行こう……」


 そう言って、俺はイリーナに手を差しだすと、彼女はその手を取って立ち上がる。


「ありがとうございます……では、皆様ごきげんよう……」


 イリーナは、陛下たちに向かってドレスの裾をわずかにつまんで膝を折り、優雅な礼を見せてから、俺の方に向き直した。


「行きましょう、クロードさま」


「ああ……陛下、失礼いたします! 二人も後でな……」


 そう言って俺は、陛下に一礼と二人に挨拶をして、イリーナを連れて部屋を後にした……




 ――セレンディア城 地下礼拝堂――



 イリーナを連れて適当に城のなかを歩いていたが、落ち着いて話せる場所が見つからず、どうしようかと思いを巡らせていた。


(先に部屋を出てしまったから、内庭で話してたら、みんなと会うのも気まずいしなー、どこで話せば……?)


 そう考えていると、半歩後ろを歩いていたイリーナが、声をかけてきた。


「……クロードさま、少しよろしいでしょうか?」


「うん? ああ、どうした?」


「その……もし静かな場所をお探しなら、ご案内できるところがございます」


 さすがイリーナだ、彼女は察しがいい……これも貴族たちとの腹の探り合いで得た能力なのだろうか?


「そうか? なら、お願いできるか?」


 俺は、イリーナの提案を受け入れると、彼女は微笑みながら小首を傾けてうなずいた。


「はい……それでは、ご案内いたします、こちらです……」


 そう言ってイリーナは、俺の前を歩きだし、俺はその後をついて歩いた……


「まさか、城のなかに地下が……しかも礼拝堂があったなんて……」


 イリーナに案内されたのは、城の本棟の地下の倉庫……の隠し通路を通った先にある、礼拝堂だった。


「ここは、王族と限られた者しか知らない、特別な場所なんですよ……」


「特別……って俺がそんな場所に来て、というか知ってよかったのか!?」


「ええ、勇者さまなら問題ありません……それに、ここを使う人なんて、わたくし以外おりませんので……」


「そうなのか? てっきり陛下たちも使ってるのかと……」


「クロードさま……セレンディアは武人の国、『神に祈るヒマがあるなら剣技を磨け』は、この国の教えです……もしわたくしが聖女に目覚めなければ、礼拝堂を作ることもなかったでしょう……」


 そう言って俺を見つめる彼女は、どこか儚げに微笑んでいた。


「この国は幸せです……神なんて信仰していない国でありながら、王族から聖女が選ばれ、勇者は近くの村で見つかり、魔王討伐も果たしてみせた……」


「それは、俺たちみんなが、頑張って得た結果だろ?」


「もちろん! わたくしもそう思っていますし、陛下も同じ気持ちでしょう……ですが、時間が経てばそれも『武と信仰の国』の一言で終わってしまう……そして、いつかここも忘れ去られるでしょう……」


 イリーナは、どこか悲しげな表情を浮かべたまま、言葉を紡いだ。


「わたくしは聖女として、ほとんどの時間をここで過ごしました……でも、ここに来られたのは外部から呼んだ司教さまだけです……それも、もう必要ありません」


「……そうか、つまりここは……」


 俺の言おうとしていることに、イリーナは察したように微笑み、うなずいた。


「そうです……ここはわたくしの牢ご……」


「つまりここは! イリーナの秘密基地みたいだな!」


「……へっ?」


「すごいな! 城の地下に自分だけの秘密の部屋があるって、最高じゃないか!」


 そう、地下にある秘密の部屋……さらにそれが自分専用となれば、クロードの男の子心をくすぐらない訳がなかった。


「……最高ですか?」


「ああ! 最高だよ! いいなー、俺も屋敷に秘密の部屋、作れないかな! こう、本棚をいじると奥から剣とか斧とかの武器が壁にかかった部屋が出てくるみたいな!」


 俺は興奮のあまり、目を輝かせながらイリーナに自分の妄想を話していた。


「……ふふっ、クロードさまは相変わらずですね!」


「え、そうかな?」


「はい、お変わりがないようで安心しました……」


 そう言って、彼女の儚げだった表情は、喜びの表情へと変わっていた……




 ――イリーナ編 秘密の部屋 完――



最後までお読みいただき、ありがとうございます。


イリーナ編、遂に始まりました!

彼女もひと癖ある、キャラなので、どうぞ次の投稿もお楽しみください。


本作を気に入った!続きがちょっと気になる!ってなったら

下にある【☆☆☆☆☆】マークから評価と、ブックマーク登録を何卒よろしくお願いいたします!


▼次回予告

『素晴らしいもの』


明日 20時 投稿予定です!!

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