表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/52

第47話ブラックギルド壊滅


「き、貴様まさかこの場にいる勇者を俺から奪うつもりか」


「勿論だ。俺はそもそも腐ったブラックギルドを滅ぼしホワイト化するのが目的だからな。しかし奪うという単語は相応しくない。選ぶんだ。勇者達が。負け犬の上司か、自分の思うがままに力を発揮出来る上司の元で働くか、を」


「っ……黙れ…そんなもので靡くはずが」


「お、俺、魔王城に転職したい!」


どこからともなく上がった声。それを皮切りに次々と手が上がる。


「私も!」


「定員ありますか?!」


「僕、魔王城で精一杯頑張ります!」


「は……そ、そんな、はずは……勇者は使えないゴミ虫だ。そんなやつらに、俺が裏切られる……?ありえない、ありえない……」


「ほらな、リンリン。君の声は届いている。勇者だって人間だ。選択する。この選択こそがカイザー。君の弱さの象徴」


「黙れ…黙れ黙れ!!!力が全てだ!!もう一度証明してやるこの愚図共に!雑魚勇者は俺の元に這いつくばり、従うしか脳のない存在だと!!」


レイピアを突き上げるカイザー。頭上にうずを巻き出来上がる巨大な光の玉。地響きがし、発される魔力量に勇者たちが尻もちを着く。魔王城メンバー達だけがさして慌てもせずそれを見つめる。


「……っお、おわり、だ…俺はここで死ぬんだぁ…」


勇者たちが嘆く。これが放たれればここ一帯はすべて焼け野原になるだろう。


「手駒の為に勇者は残しておくつもりだったが…裏切るような忠誠心のない愚図等いらない。貴様らの変わりはいくらでもいる」


ビリビリとアザゼルの頬を打つプレッシャー。にも関わらず、アザゼルは大きくため息をついた。その態度がカイザーをより怒らせることには違いなく。


「ぶっ殺す!!フラージュ・テンペスト!!」


光の玉が振り下ろされ、地面に着けば大きく弾ける。勇者たちは頭を抱え、ある者は神へと祈った。「終わりだ」と数人が絶望した。


「定時まで…残り一分。締め作業」


アザゼルはグッと地面に踏み込む。そして一直線に振り上げる蹴り。空気を割くような一直線の蹴りは、光の玉を真っ二つに割った。


「バカ、な…」


ドパッ


弾ける魔力。キラキラと光の粒となり勇者たちの頭上に降り注いだ。


「完了、と。カイザー。暴力で従わせるだけの無能は他にいくらでもいる。定時だ。お疲れ様」


カイザーはへたりとその場に座り込む。アザゼルはその姿を殆ど目に留めることなく踵を返した。


「お疲れ様ですアザゼル様。足蹴、とっても素敵でした」


「ありがとうルイーゼ。さ、みんな定時だし帰るぞ。なにか美味いものでも食べに行くか?」


「ハイッアザゼルさん俺ハンバーグがいいです!」


「酒飲みてぇ!」


「ハイハイと。んで、新入り予定の勇者達は…」


アザゼルの赤い瞳に、まだ現実が受け止めきれていない勇者達がビクつく。


「今日はもう定時だから帰るけど、明日から一人ずつ面接するから。とりあえず、この辺りで美味い店を教えてくれ」


青ざめていた勇者も驚いていた勇者も各々目を輝かせる。絶望が消え、新しい選択に希望を抱く視線にアザゼルも頬を緩めた。


「ミランさんっ先程のアザゼル様の蹴り、念写できますか?」


「勿論ですわ。ポスターにする予定ですの」


「おいくらで?!」


「アザゼルさん。一気に人が増えそうッスね」


「あぁシン。教育係として頼むぞ」


「俺が?できっかなぁ…」


「シン先輩〜」


「わっ、なんか照れますってそれ〜」


ワイワイと盛り上がる魔王城一向。その姿がカイザーにとっては一番の屈辱であった。


「ゆるさ、ない……絶対、に……アザゼル…ッ」


震えながら地面に爪を立てるカイザー。その姿を秘書のクレアだけが静かに見つめていた。


◇◇◇


「という訳で、魔王城のメンバーが増えたため、組織をそれぞれ構成することにした」


「組織、ですか?」


魔王城の玉座。面接を終え、約120余名が仲間になり、一気に人数が増えた。


「あぁ。俺だけでは全員に目が行き届かない。営業部、経営部、生産部、騎士部、生活部に分け、それぞれに部長を取り決めるんだ」


「リーダーってことですね?」


「さすがだなルイーゼ。まず営業部の部長はニーア」


「イエス!魔王城で生産したものの販路確保やセールの実施、在庫管理等を担うよ!困ったことがあったらなーんでも私に聞いてね!」


ニーアはウインク&ピース。


「そして経営部はミラン」


「かしこまりました。新作の提案や利益の算出、経営戦略等を担当する、魔王城の経営の大黒柱。わたくしミランが右肩上がりの完璧な経営をしてあげますわ!」


「頼もしいな。生産部、騎士部は合同。シンがリーダー。副リーダーにヒバリだ」


「ッス!魔王城は俺たちが守ります!」


「あぁ。ルールに乗っ取って、ダンジョンを狩り、魔物から守り、魔王城を支える」


「真面目だねぇ。ちゃんと休むように。そして最後に生活部のリーダーはルイーゼだ」


「はい!アザゼル様をはじめ、働く皆様の身の回りのお世話を勤める部署。生活から皆様の労働を支えたいと思います!」


「よし、まさかこんなに大事になるとは思ってなかったが…ここでのルールは三つ


一つ、残業禁止。する時は申請し必ず給与を得ること。


二つ、セクハラパワハラの禁止


三つ、プライベート優先!


さぁ。ホワイト魔王城で、自分らしく働かないか?」


ホワイト魔王城はブラックギルドの勇者達を手に入れた。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ