これが究極人間? これが最高人間?
「ボタンを押したな」
「敵が来るわよ」
直ぐに始まるので有ろう戦闘に備えて身構えるスキルト・アイリア達であるが、シャッターの向こう側から兵器達は来なかった。
「まぁ、待ちたまえ?少し準備をさせてくれ」
エゲニー・ガレフは、またもボタンを押して、白黒い床を一旦沈下させ再び上昇させる。
「あっお兄さん」
「お姉ちゃん」
再び上昇してきた黒い床の上には男の子が、白い床の上には女の子が、十字架に磔にされていた。
二人は力無く項垂れていたが、目の前にスキルト・アイリア達が居ることを知ると。
「武器を持ってるっ!助けてくれるの?」
「お願いっ!早く離して頂戴っ!!」
「ふむ・・・」
男の子と女の子が騒ぎだすと、その二人をエゲニー・ガレフは機械を操作して。
「ぎぃゃああぁっあぁぁああっあ!?」
「いやぁーーー痛いぃーーーぃーーいぃっ!?」
二人の足が、下から出てきた二挺の高圧濃硫酸噴射銃による、硫酸の噴射で溶かされ始めた。
男の子は首を左右に振って痛みから逃れようとし、女の子は目から涙を流し口からは血を垂れ流す。
血肉と濃硫酸が混ざって溶けた液体は、十字架の中央に向かって微妙に傾斜の付いた坂を流れていく。
「がは!?」
「ごぷっ?」
磔にされている男の子は口から咳と共に血を吐き、女の子も大量の血を口から吐く。
こうして、瞳から精気の消えた二人の頭部だけが溶かされずに残り、それは床に落ちてしまう。
「酷い、酷過ぎるっ・・・」
「なんて事をするの・・・」
眼前に繰り広げられた悪逆非道な処刑ショーに、スキルト・アイリア達は怒りを露にするが。
「彼等の死は無駄にしないさ」
エゲニー・ガレフは死んだ二人から二体の兵器に目を移し、子供のような無邪気な笑みを浮かべる。
まるで、新しい玩具を与えられた子供のように、彼はまたも床を動かして上昇させて白と黒の床を上げると、二人の首が転がる床を沈下させる。
新しく出てきた白い床は、後ろからカニェーチヌイ・チェラヴェークの腹部に太い注射針ホースを突き刺す。
ルゥーチシィー・チェラヴェークにも首に太い注射針が刺され、ドクドクと真っ赤な血液を送る。
「さあ、起きろっ!完全無欠の兵器達よ!!」
「ゥガ?ウガァァァァッ!」
「・・?フッ・・・」
エゲニー・ガレフの声に反応した、カニェーチヌイ・チェラヴェーク、ルゥーチシィー・チェラヴェーク達は早速二人を目標に捉える。
「さて、他のゴミを片付けて、二人へのハンデに大幅にブロックを上昇させてやろう」
エゲニー・ガレフは、床の上に散らばるファイブカラーズの亡骸を床を沈下させて片付け、他の床も動かす。
そうして、三階建て、二階建て、平屋の建物並みの高さに周りのブロックを押し上げ、エゲニー・ガレフは今度こそ、三回戦を始めるようであった。




