倒したぜっ!? 倒したわよっ!!
「な、何故お前達は生きているんだ?」
「あの攻撃を避けたからさ」
「そう、私達は避けたのよ」
二人がレーザービームの光を避けた事に気がつかなかったレッドカラーは、事切れる前に一言呟く。
他の四人も流石に銃撃による無数の弾丸を喰らっては、体力が持たなかったのか、既に皆死んでいた。
「彼等は手強かったな」
「ええ、正直危なかったわ」
物言わぬ骸と化した五人を見下ろしながら、スキルト・アイリア達は呟く。
「そうか、そうか、そんなに私の作った失敗作は強かったか・・・」
ガラス張りの長四角窓から、二人の声を、エゲニー・ガレフは聴き逃さず聞いていた。
「ならば、お次は私の最高傑作を御見せしよう」
そう言うと同時に、下を向いてボタンを押したエゲニー・ガレフ、すると今度は正面のシャッターが開かれる。
そこには、身長が五メートルも有る短パンを履いた水色の肌の巨人と、細身の美しい金髪の女性が居た。
巨人はツルツル丸坊主の頭に深い紫色の目を光らせ、背中には黒い樽のような形のガトリングタンクを背負い。
逞しい筋骨隆々の両手で、タンクから伸びる多数の弾丸が繋がれた大口径ガトリングガンを装備して立っていた。
もう一人の女性は、黒いメイド服に白いエプロンを着用しており、ポニーテールにした金髪に白いカチューシャを載せていた。
武器は消音器付きのスナイパーライフルらしき銃を両手で握り、背中には黒い棒が、腰にはホルスターとナイフの鞘が帯刀されていた。
「どうかね?私の作ったカニェーチヌイ・チェラヴェーク(きゅうきょくにんげん)、ルゥーチシィー・チェラヴェーク(さいこうにんげん)は」
エゲニー・ガレフの声がスピーカーを通して、二人に届き二体の名前を告げる。
「カニェーチヌイ・チェラヴェークは戦闘兵器としては最強無敵で、ルゥーチシィー・チェラヴェークは要人暗殺用の殺人マシーンとしては完璧だ」
それぞれの特性と使用目的を説明して、自らの作った兵器の出来映えを自慢するマッドサイエンティストである、エゲニー・ガレフ博士。
「この二人や、さっきの人達も無理矢理、お前の実験に使ったのか?」
「良くも、良くも人の身体を勝手に・・・」
「そう言う君達も、言わば我々の組織の失敗作なんだがね?」
スキルトの強い口調と、アイリアの鋭い視線に、エゲニー・ガレフは淡々と語り始めた。
「そちらのお嬢ちゃんは、先程述べたように他の研究所の失敗作だし、ミイラの方も嬢ちゃんが何らかの影響を与えたから生まれたので有ろう」
「もっと私達の事を詳しく教えなさい」
長々と語りだしたエゲニー・ガレフを、早く他の事も教えろと強く睨み付けるアイリア。
「そうだな、お嬢ちゃんの身体はっ・・と、それは戦いの後にしようか、クククッ・・・」
嫌味な笑い声を出しながら、説明を中断したエゲニー・ガレフは、ボタンを押して三回戦をスタートさせた。




