倒したぞ!? 倒したわ!!
『ドガーーーーーーーーーーー』
二人の一撃は発射されかけたミサイルの弾頭に見事命中して、信管を作動させて誘爆させる。
スキルトの矢と、アイリアの弾丸は、共にミサイルごとクルス・チャリオットを吹き飛ばす。
その音と爆風は凄まじく、クルス・チャリオットの本体を炎が包み込み、機能を停止させてしまったのか、キャタピラの走る音もしなくなった。
「やっと止まったか?」
「ヤレヤレね・・・」
動かなくなった、クルス・チャリオットの車体を眺めると、半壊した胴体の左側から十字架に繋がれたままの苦しんでいる女性が露出していた。
スキルト・アイリア達は近付いて、半壊した胴体に登り、黒髪の女性を救出しようとするが。
「死に・・たくな?・・・」
爆風をまともに浴びた女性の身体は、全身焼けただれており、彼女の命が既に長くない事を示していた。
「い・・あ?戦・・・たくな・・・」
「くそっ!無理矢理に戦わされていたのか」
「何て酷い事を、絶対に許さないわっ!!」
力なく項垂れて女性が事切れると、スキルト・アイリア達は非道な人体実験を行うエゲニー・ガレフ達を睨む。
長四角の窓から、観察者として見下ろす彼等は、二人を見ながら薄ら笑いを浮かべていた。
「まさか、我々の試作兵器に勝利するとは?」
スキルト・アイリア達が敗北すると考えていた、エゲニー・ガレフは驚きながらも二人の強さに感心する。
「おめでとうっ君達は次の対戦者と戦える、では二回戦を早速だが始めよう」
「また、誰かを改造した兵器を出すのか?」
「貴女の最低の中の最低だわっ!」
何かの大会の司会者気取りで話す、エゲニー・ガレフの二回戦の始まりを告げる言葉に、スキルト・アイリア達は怒りをぶつける。
「ふむ、そんな事より見たまえ、失敗作ばかりだが、君達なら上手く処分してくれるだろうな?」
エゲニー・ガレフはボタンを押すと、スクラップと化したクルス・チャリオットは、白と黒の床と共に下がってゆく。
綺麗に掃除されたクルス・チャリオットに代わり、今度は右側のシャッターから五体の何者かが現れた。
「私が捕まえた商人や旅人を使って、暇潰しに製作した兵器達だ」
エゲニー・ガレフは五体の兵器を眺めながらボタンを押し、兵器を起動させる。
すると、開いたシャッターの向こう側に居た五体の兵器は動きだし、ゆっくりと二人に向かって歩いてきた。
仕事、辞めたいな。




