クルス・チャリオット? 何?何なの?アレの名前かしら?
塔のように高い、戦車上部の四角い胴体中央の十字架に磔にされた女性は、後ろから四角い装甲カバーを被せられ姿を隠してしまった。
そして、動き出した謎の巨大戦車は二人に狙いを定めて、右肩の機関砲を撃ち放った。
『ドッドッドッドッドッドッ』
「危ないっ!」
「きゃっ!?」
勢いよく放たれた機関砲弾に、素早く右に飛んで回避するスキルト、即座に身を床に投げ出したアイリア達。
二人は何とか、巨大戦車の攻撃を回避する事に成功したが、反撃の為の手立てが何も無かったので、次の攻撃を避けようと身構える事しか出来ない。
「くっ!どうすればっ!」
「せめて、武器がっ!?」
『パシュゥ~~パシュゥ~~~』
今度は左肩に装備された四連装ミサイルポッドから、追尾式ミサイルが発射され、スキルト・アイリア達が左右に逃げるのを執拗に追い始める。
「このままじゃあ~追い付かれてしまう」
「だけど、どうしようも無いわよっ!?」
何処までも追い掛けてくるミサイルに対して、スキルト・アイリア達は右に左に、少しでもミサイルの弾頭から離れようと逃げまくる。
灰煙を吐きながら襲い来るミサイルに、二人は疲れてきたのか走る速度が落ちてくる。
「あっ!もしかして・・・アイリア、早くこっちに来るんだっ!」
「は!?どうしてよって言うか、策を練らないと」
この状況を打開する良い提案を何か思い付いたらしいスキルトは、大声でアイリアに来るように叫ぶ。
「その策を思い浮かべたんだ」
「分かったわ、今行くわよっ」
自分を見るスキルトの真剣な表情を、アイリアは信じて彼の言った通りに走ろうとする。
「真っ直ぐ僕を目指して走って来てくれ」
「はあっ!?、そう言う事なのね」
スキルト・アイリア達は、互いに一直線に相手を目指して走り、タイミングを合わせようとする。
「アイリア、僕が指差す方向に行くんだ」
「あっちね、じゃあ行くわよっ」
スキルトが走りながら指差す右側に走って行ったアイリア、その二人を追い掛けてくるミサイルも後をずっと追尾するが。
『カンッ!ドッカーーーーーンッ!!!!』
「うわぁっ!?」
「いああっ!?」
右にスキルト、左にアイリアと言う感じで、並走し始めた二人を狙っていたミサイルは、左右から近付き過ぎた為に互いに接触してしまう。
その瞬間、接触により弾頭の信管が作動し、物凄い勢いでミサイルが炸裂した。
ミサイルが爆発した事により、二人は爆風で吹き飛ばされてしまったが、何とか運良く掠り傷程度で大した外傷は無く無事に生きていた。
「アイリア、大丈夫かい」
「まだ何とか生きてるわ」
床に倒れていたスキルト・アイリア達は、視界を邪魔する煙の中から起き上がり、敵の巨大戦車を探した。
「良く生きていたな、ハンデに床から武器を出してやろう、それで私の作ったクルス・チャリオットを倒して見せろ」
エゲニー・ガレフは爆風に耐えた二人を見て、笑みを浮かべてボタンを押すと、白と黒の模様の床の内、一部が沈んでいく。
そして、再び浮上した白い床の上にはスキルトの武器である、コンポジット・ボウ、サベージ、丸盾、ブロードソードが。
黒い床の上には、アイリアの武器であるM70、ユーベル・ルガー、M39、S&Wタントー、スワッシュバックラー等が置いてあった。




