減らない、減らない、減らない、ゾンビ、ゾンビ、ゾンビ
「上からも下からも、減らない、減らない」
「右も、左も、前も、後ろにも、ゾンビ、ゾンビ」
スキルト・アイリア達は、倒しても倒しても全く減らないゾンビ・ミュータントの群れに、銃弾が底を尽いてしまう事を危惧する。
瓦礫の山の上から飛び降りたかと思えば、マンホールの蓋を開いて穴の中から現れたり、ビルの扉から急に走り出してきたりと忙しなく敵は迫る。
「がぁ~~~!!」
「ぎゃーーーー!」
無数のゾンビ・ミュータント達は二人への攻撃を止めず、執拗に食い下がり何度撃たれても突撃を止めない。
「くっ!剣に持ち帰るぞ」
「そうしないとヤバいわ」
スキルトは腰にサベージを仕舞うと、素早くブロードソードを抜き取り、正面の斜めに剣先を向け構えを取る。
ユーベル・ルガー、M39から、格闘武器のS&Wタントー、スワッシュバックラーに持ち変えたアイリアも、腰を低くして敵の出方に構える。
「ぎゃあーーーーー!!!」
「ぐっ!うぉぉっ!」
スキルトは飛び掛かってきたゾンビ・ミュータントの引っ掻き攻撃を丸盾で防ぎ、次いで頭をブロードソードの太い切っ先で叩き斬って凌ぐ。
「ぐぁぁ~~~~!?」
「はあぁぁっ!ふっ!」
アイリアも、スワッシュバックラーを振るい手足を切り裂いて、先ずは動きを鈍らせてからS&Wタントーを頭部に突き刺し止めを刺す。
「らぁーーーーーーー!!!」
「うあぁぁ~~~~~~!?」
スキルトはまたも丸盾でゾンビ・ミュータントの噛みつき攻撃を防ぎ、直ぐにブロードソードを横から振るい、無防備な首を撥ね飛ばす。
その後ろで、アイリアはS&Wタントーを突きだしゾンビ・ミュータントの額に穴を開けると、素早く抜き取る。
「うがぁぁ~~~?」
「いやぁーーー!!」
そして、今度は左から襲い掛かってきたゾンビ・ミュータントの胴を、振り向き様にスワッシュバックラーを横に思いっきり振るい真っ二つにする。
その後も、二人は死に物狂いで剣を振るい続け、気がつけば辺りには無数のゾンビ・ミュータントのバラバラ死体が転がっていた。
「終わった・・・」
「終わったわよ?」
見るも無惨なグロテスクな死体が転がる道路から目を剃らすスキルト、そんな彼と同様に目を剃らして天を向くアイリア。
二人共、必死で戦ったので戦闘が終了すると一気に疲労が身体中に回ってきたのだった。
『チュイィーーン』
その様子を、遠くのビルの割れた窓ガラスの暗い日陰に隠れて、紅いレンズの何者かは見ていた。
「ここは敵の数が多すぎる」
「目的地まで迂回しましょう」
スキルト・アイリア達は余りの敵の多さに、危険性が高いと判断して、都市部を迂回して目的地の交易路に向かう事にした。




