砂漠を歩く、歩く歩く つらくても暑くても歩くわよ
波打つ様に連なる砂漠の砂丘を歩いて、登り降りするスキルト・アイリア達は、一つの大きな砂丘を登る。
そこからは、後少しで都市部郊外に届く場所に存在する農家の敷地らしき廃墟が観察出来た。
「アレは農家かな・・ねぇ?アイリアはどう思うっ」
「さあね~?横のはそうだけど右のは分からないわ」
しかし、農家らしき廃墟を砂丘から見下ろす二人の目には、左側の幾つかのカマボコ型の建物と、三階位の高さのサイロ。
それに、二つの民家、トラクター等をしまっている車庫、等の農家の廃墟と、その隣の会社の敷地が見えた。
「五階建てのビル、倉庫に」
「アレは工場かしらね?」
二人の眺める先には、事務所に、五階建てのビル、二つの倉庫に、工場らしき複雑なパイプだらけの三階建ての建物が見えた。
『スコンッ!!バシュッ・・・』
妙な音と同時にスキルト・アイリア達の間を銃弾が飛び抜け、砂丘の砂に当たったそれは砂煙を上げた。
「銃撃だと、隠れろ!?」
「言われなくてもっ!?」
二人は直ぐに砂丘の坂に身を隠し、農家と会社の廃墟を睨み、敵の居場所を探りつつ様子を伺う。
「あのビルが怪しいね?」
「あっちのサイロもねっ」
スキルト・アイリア達の睨んだ方向からは怪しい雰囲気が漂い、そこから殺気を感じた二人は直ぐに砂丘から離れて別のルートで都市部へと向かう。
「急ごう、早くしないと奴等が来るそぞ」
「きっと連中はチンピラね、走らないと」
砂丘を走り降りたスキルト・アイリア達は、敵のチンピラが追って来ない内に都市部の右手の方へと逃げ出した。
そんな彼等を、砂丘の砂の中から見下ろす何者かが、じっと一つ目のカメラアイの紅いレンズを向けて監視していた。
「はぁーはぁ、ここまでくれば、もう大丈夫だね」
「ふぅ~そうね、もう安全だわ」
彼等はひたすら砂丘や砂漠の凹凸の影に隠れて、都市部の郊外に存在するガソリンスタンドの見える場所まで来た。
灰色の道路の先に、平たく紅い屋根のガソリンスタンドには屋根の上と、スタンドの道路の向かいに看板が設置されていた。
看板にはアブラ・アラブ・アラビア石油と書かれており、周囲には誰の気配も無かった。
「誰も、ここには居なさそうだな?」
「でも、念の為、気を付けましょう」
ガソリンスタンドの前を通り、向こう側に見える、都市部の日陰へと向かうスキルト・アイリア。
暗い日陰を前にした二人の額には汗が滲み出てきており、身体も疲弊し、疲れはてたスキルト・アイリア達は、近くの小陰を目刺しフラフラ歩く。
「あつ~い、熱い、ひにそうだわゃ~~もうダメぇーーー」
「ガソリンスタンドの陰で休もうよ、そうすれば多少は身体が癒える筈さ?」
取り合えず、二人はガソリンスタンドの屋根の下で休む事にしようと歩いていたのだが。
『タタタタタタタタタタッ』
『バンッ!?』
『ドドドドドド』
『パン、パン、パン、パン』
『ドンッ!ドンッ!ドンッ!』
スキルト・アイリア達が、ガソリンスタンドの直ぐ側にまで近づいた時、一斉射撃が彼等の身に降り注いだ。
来週から仕事が楽になる。
やったぁ。




