役場での手続きは面倒だな 出来ればしたくは無いわね~
「相談依頼ですか、それともクエストの受注に来た方でしょうか?」
紅髪の黒服魔法使いは二人の姿を見ると、パソコンを操作するのを一旦止めて、二人に何のようかと笑みを浮かべて尋ねる。
「あ、えっと行方不明者の捜索依頼を」
「受けようと思って、二人で来た訳です」
スキルト・アイリアは二人して答えると、魔法使いの女性は、にこやかな笑みを浮かべたままパソコンを操作する。
「分かりました、手続きは此方で適当に済ませますね」
「では御二人共、此方に」
魔法使いの女性がパソコンを操作する間に、隣のスーツ姿の角の生えた金髪男性が書類を渡してきた。
「それが行方不明者、及び誘拐された方の襲撃地点を示した地図です」
その書類をスキルトは受けとると、現在地であるビルタウンと、近くの廃都市を書き記した地図を眺める。
「最近、ここを訪れる傭兵の方々が多いんですよ」
「貴方達も行方不明者を早く見つけてね」
書類を渡してきた、角の生えた男性と、魔法使いの女性は、二人から行方不明者を発見したと吉報が届く事を期待した。
「はい、頑張りますっ!」
「私達に任せて頂戴っ!」
こうして、行方不明者を探す事を始めたスキルト・アイリア達の次の目的地は、ビルタウンを抜けた都市部の商人が通る公益路となった。
二人は外へと向かい、並んで歩いていき、太陽が頭上高く上がり熱々とした日光を浴びせる中、二人は地図を再び読む。
地図によれば、そこを通った行商人達が忽然と姿を消すらしく、最近では行商人達も警戒して近付かなくなり、余り人通りが無い場所になっていた。
寂れた場所になっていると書かれている、そこには魔物やロボットが彷徨き、更に怪しい何者かが出没するらしいのだ。
白装束に身を包んだ不気味な幽霊とも、魔法使いとも、リッチ(死霊使い)とも、科学者とも、正体の分からない彼等を見かけたら近づくな。
「・・と書かれているね?」
「そうね~~何者かしら?」
役場&警察署ビルを出たばかりの、スキルト・アイリア達は、地図の裏に書かれた情報を読みながら、町の裏門へと歩いていく。
「さぁ、外へと冒険の旅へ出掛けよう」
「そうね、でもいくらビルタウンから近い場所だからって無茶は駄目よ」
二人の向かう右側の役場&警察署と、左側の大きな白い看板に赤い十字の描かれた病院の間を通り抜け、そのかなり先に聳える建物へ向かう。
「分かっているさ、先ずは偵察に向かうだけだよ」
「それなら良いけどさ・・」
スキルト・アイリアは歩く先に存在する要塞の様な、コンクリート壁を眺めつつ驚嘆する。
「凄い」
「うん」
二人は四階立てのコンクリート壁を遠くから眺め、段々と近づくにつれ見上げる形になる。
コンクリート壁の上には、数人の自動小銃や狙撃銃を構えた自警団員が、外側から盗賊団や魔物が、襲撃して来ないかと陣取っていた。
「この壁の警備が物々しいね?」
「きっと都市部から敵が来ないかと見張ってるのよ」
コンクリート壁の中央図下部に存在する出入り口である、トラック二台程が通れる大きさの、赤錆た鋼鉄製扉をスキルト・アイリア達は見つめる。
「やっぱり、あの都市部にはチンピラ達が大勢居るからかな」
「そうだわ、それに夜はゾンビの襲撃も有るって言ってたし」
二人は会話をしつつ、警備も誰も居ない、赤錆た鋼鉄製の扉へと足早に進んで行った。




