町だっ 町だね?
『通行証は有るのか?』
「有りますよっ!」
「コレです」
トーチカ型の検問所の入口から聞こえてくる拡声器の声に対して、ビリー&ジェシカ達は対応する。
荷物として運んでいた商品の箱の中から、通行証の紙を取り出して見せつける。
『よしっ入れ、だが妙な動きを見せてみろよ、直ぐに頭にグリーンチップ(銃弾)を御見舞いして殺るからな』
拡声器から聞こえてくる声が警告すると、トーチカ型の検問所の入口が開き、大きな紅い鉄扉が両側に自動で開いていく。
そして、四人はビークルを低速で走らせつつ、鉄扉の中へと向かって進む。
『ガガガ・・』
鉄扉が再び閉まると、中には青い服装に灰色の弾帯付きの防弾ベストにフリッツ・ヘルメットや。
ベレー帽を被りM4を構えた自警団員が二人と、野戦帽や制帽を被りAK47を構えた自警団員達二人が、外から来た四人を待ち構えていた。
「申し訳有りませんが、最近は魔物や危険生物、チンピラ盗賊団、アンデッドの襲撃が頻発しており警備官吏の為、通行証を御確認させて頂きます故、どうか御理解を・・」
内部に入って銃を突き付けられている四人の左側の扉が開き、中から一人の隊長らしき髭の中年男性が出てきた。
「分かりました、これを・・」
「私も、これを」
「ふん、ふん、良いでしょう・・通せっ!」
ビリー&ジェシカが通行証を渡すと、隊長らしき髭の男性はそれを読む。
彼は通行証を偽造されていないか隅々まで確認すると、四人を町へと通す様に部下に命ずる。
その指示を聞いた四人の自警団員は銃を下ろし、大人しく後ろに数歩引き下がった。
漸く通行証の呈示確認と検問から解放されたばかりの、ビリー&ジェシカ達と、スキルト・アイリア達は遠目に見えるビルタウンへと向かって行く。
「彼処に行けば休めるわ」
「そうだね」
スキルト・アイリア達が呟いている間に、道路のカーブを曲がったビークルは、二本のビルに挟まれた町の入口にまでたどり着いた。
「着いたか?」
「着いたね?」
ビークルが止まると、左右のビルに顔を上げて眺めながら、間抜けな声を出すスキルト・アイリア達だった。
「二人供、此処でお別れだな俺達は物資を補充次第・・」
「仕事で直ぐに、次の町に行かなければ成らないの」
いよいよ別れの時だと告げるビリー&ジェシカ達は、別れ惜しくも仕事が有るので二人をビークルから下ろす。
「はい、今まで色々有り難う御座いました」
「また機会が有れば何処かで会いましょ~」
「じゃあな、達者でな」
「また会いましょうっ」
スキルト・アイリア達が手を振ると、バギーに乗ったビリーとサイドカーに乗ったジェシカは、此方を振り向かずに手を振る。
こうして彼等はビルとビルの間を、低速でビークルを走らせて何処かへと行ってしまった。
「行ってしまったな・・」
「行ってしまったねっ?」
少し遠くの左側のビルの陰に隠れて見えなく成った二人を、暫く見ていたスキルト・アイリア達は一言だけ静かに呟いた。
自分達をビークルに乗せてくれた恩人達を、見送った二人の背中からは砂の混じっていない、涼しく清々しい風が吹いた。




