死体を隠して更に奥に・・・ 行こうかしら?
「死体を隠すには・・・・!」
「隠すには?」
薄暗い影に包まれたコンテナの奥に進んで行くスキルト・アイリア達、中を進みながら彼等はコンテナ内に散らかる掃除用具や木箱、ドラム缶、パレット等に目を向ける。
「彼処なら死体を隠しても大丈夫だな・・」
「いったい何処の事を言っているのよ?」
スキルトは有る部分に目を向けて、そこ成らば死体を隠して放置しても安全な場所だと思う、それに対しアイリアは何処の事を言っているのかと、頭に疑問を浮かべて聞いてみる。
「アイリア、彼処だよ」
「彼処・・?」
チンピラの死体を抱えるスキルトは、ドラム缶まで歩いて来ると中に死体を容れてしまう。
「アイリア、早くお出で」
「分かったわよ!」
スキルトが手招きすると、アイリアは重たいチンピラの死体を引き摺って彼の元へ向かう。
「僕は、こうしてっ・・と」
「私のは、どうするの?」
木箱を死体入りのドラム缶の上に載せて蓋の様に閉じて、チンピラの死体を上手く隠したスキルト、一方アイリアは自分が引き摺って来たチンピラの死体の処分方法を彼に問う。
「パレットの下に隠すんだよ」
「ここに・・隠すのね」
スキルトは床に置いてある黒いプラスチック製のパレットを持ち上げ、壁に斜めに立て掛けて死体を此処に隠そうと、アイリアに教える。
「ハァ~~?重たい死体から、やっと解放される」
「よっと!」
そして、アイリアが死体を引き摺りパレットの元まで運んで来ると、スキルトは再びパレットを持ち上げる。
「これで終わりね・・」
「ああ、此処なら他のチンピラにも見つからない」
アイリアがパレットの陰へと死体を容れると、スキルトは手に掴んだパレットを斜めに立て掛けて、チンピラの仲間達に見つからない様に死体を隠した。
「これで死体は無事に隠せたな」
「次は奥に進みましょう」
こうして、チンピラ二人の死体を隠し終えたスキルト・アイリア達は薄暗いコンテナの中を更に奥へと進んで行く、何処までも長く続くトンネルの中の様に感じるコンテナ内の先に明るい光が見えた。
「光だっ!」
「外に出れるわ」
コンテナ内を歩くスキルト・アイリア達は目の前に現れた光を目指して歩いていく、そして遂に出口にまで辿り着くと事が出来た二人は、永遠に続くのかと思ったコンテナ内から出ると、直ぐにチンピラ達に見つからない場所を探す。
コンテナの外に出ると、相変わらず大小様々な形のバラック小屋のスラム街が広がっていた、更にスキルト達が居る場所は大勢のチンピラ達が昼間から酒を飲みながら楽しそうに彷徨いて居た。
「?・・何処か僕等が隠れられそうな場所は・・」
「こっちよ、スキルト・・アレの裏なら見つからないわっ!」
キョロキョロと周囲を見渡すスキルトに対し、アイリアは袖を引っ張りバラック小屋の中に連れていき、サッと素早く中に入って身を潜める。
「アヒャヒャッ!」
「へっへっへっ?」
酒を飲みながら、スキルト・アイリア達の潜むバラック小屋の前を歩いて行く酔っ払ったチンピラ二人組、その二人組がワイワイ騒ぎながら通り過ぎて行くのを身を屈めて待つスキルト・アイリア達。
『二人のチンピラは、もう行った様だね』
『そうね、それより何人居るのかしら?』
小さな声で喋り、バラック小屋の窓から外の様子を探り酔いながら歩き回るチンピラを達観察しながら、スキルト・アイリアは暫くの間は、再び大人しく隠れていなければ成らないのかと思い、非常に緊張して気が重く成った。
・・・またか?・・また待つのか・・・
・・・また待つのね・・もう嫌に成って来たわね・・・
壁に背中を凭れさせ座り込む、スキルト・アイリア達はチンピラ達の拠点からの脱出に長い時間が掛かり、心身共に疲れ果てていた。
「!!良い物を見つけた」
小屋の奥を見つめていたスキルトは、樽やドラム缶とに囲まれた一人用のベッドの脇から先っぽが少しはみ出ているハンガーの様な形状の物を見つけた、彼はそれが何で有るのか直ぐに分かった。
「良い物?・・何か有ったのねっ」
「ああ、コレさ・・アイリア」
うつ向いていた顔を上げてアイリアは良い物が何で有るのか問い質すと、それを彼女に見せる為に立ち上がりミニ・ベッドの脇まで歩いて行ったスキルトは、【それ】を拾い上げてアイリアに堂々と見せつける。
「遠い昔、使った記憶が有る様な気がするんだ・・アンデッドに成る前かな?」
「それは弓ね?それも随分強そうな・・」
スキルトが発見した物は動物の骨と木を組み合わせたコンポジット・ボウ(合成弓)で有った、その弓を見たアイリアは音がしない良い武器が手に入ったと喜び、まるで希望を取り戻したかの様な笑みを浮かべた。
長いチンピラの拠点編も、もう少しで終わりです。
後少しでボスキャラ登場します。




